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抽象概念
「抽象概念〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
抽象概念の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
これより抽象せられ、構成せられた者である。真理は統一にあるというが、その統一とは
抽象概念の統一をいうのではない、真の統一はこの直接の事実にあるのである。完全なる....
「絶対矛盾的自己同一」より 著者:西田幾多郎
を否定すると共に対立せしめる弁証法的空間の一点と考うべきであろう。時というものを
抽象概念的に考えれば、過去から未来へと無限に動き行く単なる直線的進行と考えられる....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
いうにひとしく、奇怪な言語上のトリックであり、事実としては無いところの、思弁上の
抽象概念に属している。実に「詩」という言語は、芸術の表現にのみ言われるので、表現....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
ことの出来ないように見える理由があるだろう。内官という観念がだから既に、哲学的な
抽象概念を意図したものと云わねばならぬ。と云うのは内官に就いては、もはや感覚器官....
「哲学入門」より 著者:三木清
の、イデーへの、形への無限の希求を含むためでなければならぬ。表現におけるイデーは
抽象概念の如きものでなく、パトスの中から生れたものであり、従って抽象的に理性的な....
「性格としての空間」より 著者:戸坂潤
――が主張されている。それにも拘わらずこの絶対的区別の不可能をば形式・内容なる
抽象概念を超えて――
抽象概念としては形式・内容の絶対的区別は不可能である――具体....
「決闘」より 著者:神西清
たりするのは、隣人愛のためじゃなくて、人類だの次世代だの人間の理想|種だのという
抽象概念のためなんだ。彼は人間の種の改良に努力しているんだから、そうした彼の眼か....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
要するに愛というものがチェーホフにとっては、来世とか不滅とかいうのと同じ空っぽな
抽象概念にすぎず、それに対して彼の心が完全な不燃焼物であったことは、決して無根の....