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「拈出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

拈出の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
薤露行」より 著者:夏目漱石
が》う世なり。活殺生死《かっさつしょうじ》の乾坤《けんこん》を定裏《じょうり》に拈出《ねんしゅつ》して、五彩の色相を静中に描く世なり。かく観ずればこの女の運命も....
草枕」より 著者:夏目漱石
《はりつり》に無限《むげん》の青嵐《せいらん》を盛《も》る。いたずらにこの境遇を拈出《ねんしゅつ》するのは、敢《あえ》て市井《しせい》の銅臭児《どうしゅうじ》の....
思い出す事など」より 著者:夏目漱石
から見て存在の権利を失ったかのごとくに説き去られた時、彼は始めて精神生活の四字を拈出《ねんしゅつ》した。そうして精神生活の特色は自由である、自由であると連呼《れ....
琴のそら音」より 著者:夏目漱石
っさの際に思い出さしめたのである。――同時に火の消えた瞬間が露子の死を未練もなく拈出《ねんしゅつ》した。額《ひたい》を撫《な》でると膏汗《あぶらあせ》と雨でずる....
創作家の態度」より 著者:夏目漱石
形相を発見しもしくは想像する事ができますが、この全体の気分に応じたものを客観的に拈出《ねんしゅつ》しようとするととうてい駄目であります。花でも足りない。女でも面....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
用)に依ってのみ行われ得るものと妄信せられたるがために、前記の如く、仮想の犯人を拈出するが如き、推断上の錯誤を生じたるものにして、現代に於ける科学知識の発達程度....
青年」より 著者:森鴎外
見せられはすまいかと思う心配が次第に薄らいで行って、それと同時に大村が青い鳥から拈出した問題に引き入れられて来た。 「ところが、どうも僕にはその日常生活というも....
俳人蕪村」より 著者:正岡子規
られたる古語も多からん。いずれにもせよ、今まで俳句界に入らざりし古語を手に従って拈出《ねんしゅつ》したるは蕪村の力なり。ただ漢語を用い、いたずらに佶屈の句を作り....