拍子を取る[語句情報] » 拍子を取る

「拍子を取る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

拍子を取るの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
ちょうし》出るときゃ涙で出たが…… 小声で唄いながら、お絹は片手で膝をたたいて拍子を取ると、蛇はなめらかな膚《はだ》に菱形《ひしがた》の尖った鱗《うろこ》を立....
能とは何か」より 著者:夢野久作
ける小道具、作物の一種とも見るべきもので実際には奏しない。尤も鈴だけは音を立てて拍子を取るが、これは狂言方と云って能役者とは別種の、道化役みたようなものが、三番....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
「爺い。」 「はあ。」と烏帽子が伏る。 姫は床几に端然と、 「男が、口のなかで拍子を取るが……」 翁は耳を傾け、皺手を当てて聞いた。 「拍子ではござりませぬ....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
の按摩が上へ浮いて、門附の衣紋が緊る。 「……この膝を丁と叩いて、黙って二ツ三ツ拍子を取ると、この拍子が尋常んじゃない。……親なり師匠の叔父きの膝に、小児の時か....
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
立てをするのや、近年まであったカチカチ団子と言う小さい杵で臼を搗いて、カチカチと拍子を取るものが現われた。また、それから少し下っては、落語家のへらへらの万橘が、....
囚われ人」より 著者:豊島与志雄
音頭を取って、ラ・マルセイエーズを歌い出し、一同それに和して歌いながら卓を叩いて拍子を取る。議一ひとり黙っている。 愛子――あんた、なぜ歌わないの。 議一....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
来た奴《やっこ》、それ急げ! 三度に一度あ転《こ》けざあなるめえ!」 背中で籠拍子を取る。彦兵衛は腹掛を押えた。その中に、丼の底に、巻紙の文状《もんじょう》と....
食道楽」より 著者:村井弦斎
観世流の謡曲|羽衣《はごろも》を謡《うた》い出しぬ。客の中には覚えず声に和して手拍子を取るもあり。子爵は元来声自慢、一揚一抑《いちよういちよく》法に適《かな》い....
懸巣」より 著者:室生犀星
あという合の手を入れて啼く、真似声だけでは淋しく物足りないらしく、合の手を入れて拍子を取るのである。 よく啼く日は音のある雨の日が多い、雨が、大降りになるほど....
三州仕立て小蕪汁」より 著者:北大路魯山人
は、ほかに江戸前のこいなど入れて煮込むやり方もあるし、白魚、赤貝などの軽いもので拍子を取る場合もある。また、豆腐でつくる場合もある。それは濃淡よろしきを得て工夫....
それから」より 著者:夏目漱石
》にして、平岡夫婦の経歴をそろそろ話し始めた。誠吾は面倒な顔色もせず、へえへえと拍子を取る様に、飲みながら、聞いている。段々進んで三千代が金を借りに来た一段にな....