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「拐す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

拐すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
抗できない自分の踊りの技巧の中へ、陽子だけはひきずり込みたくなかったのだ。 「誘拐するにも、おれ金がねえや」 むろん娘にもない……と苦笑すると、娘は、 「あた....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
ゝに道あるまじ、いでや者輩、当藩の物を奪ひ去る無法|狼藉の坪太はそれよ。女人を誘拐す卑怯未練の賊僧はそれよ。容赦なく踏み込んで召捕れやつと大喝すれば、声を合せて....
継子」より 著者:夢野久作
るとこれはソンナ風にして玲子さんを欺して家を飛び出さして、どこかへ親切ごかしに誘拐するつもりで出した手紙かも知れないね。そうして玲子さんはもう半分がトコ欺されて....
少年探偵長」より 著者:海野十三
そうだ、そうだ。それに自動車ぐらいもってきたんじゃだめだ。相手は飛行機を使って誘拐するんだから、警察もすぐ飛行機で追っかけないと、いつまでたっても、相手をつかま....
林檎」より 著者:豊島与志雄
意に飛び出してきて、私の手首をいやというほどねじ上げたんです。貴様だろう子供を誘拐するのは、とそう云うじゃありませんか。私は笑い出してやりました。こんなに子供を....
白銀の失踪」より 著者:ドイルアーサー・コナン
たら今までにちゃんと発見されているに決まっている。また、ジプシーがどうして馬を誘拐するものか、ジプシーというものは警察にいじめられるのを厭うから、何か事が起った....
裏切り」より 著者:坂口安吾
ノを仕立てて小夜子サンをかくまうなぞとはトオサンをだましてていよく小夜子サンを誘拐する手段にすぎないということは、日野の奴むろん承知の上で云ってるのです。奴がニ....
貞操問答」より 著者:菊池寛
「どこへ行くの。」 「訊いちゃいや。出来たら、眼をつむっていて……」 「僕を誘拐するの。」 「女ギャングよ。」そういって、小さい右手をピストルの恰好にして、美....
怪しの館」より 著者:国枝史郎
一室である。 四人の武士が話している。 夜である。初夏の宵だ。 「どうでも誘拐す必要がある」 こういったのは三十年輩の、いやらしいほどの美男の武士で、寺侍....
剣侠」より 著者:国枝史郎
人の女を担ぎ、耕地を走って行くところであった。 「この朝まだきに街道端で、女を誘拐すとは不埒千万、藤作殿嚇して取り返しましょうぞ」 「ようがす、やりましょう、途....
深夜の電話」より 著者:小酒井不木
山本信義というのも実は偽名なのだ。で、誘拐団の連中は山本を仲間にすれば、糸子を誘拐するに非常に好都合だと思い、山本のありかを発見して、そのことを話すと、山本は一....
奇巌城」より 著者:菊池寛
かしあの厳しい兵器庫の中にたくさんの人に守られている父親を、いかにルパンだって誘拐することは出来まいと思っていたのだった。少年の父親は、決して一人では外へ出さな....
岩魚」より 著者:佐藤垢石
申しあげます」 「お礼で痛み入る――ところで、嫁を貰い子供を儲けぬうちに賢彌を誘拐すれば、石坂家の系図はそこで絶えてしまう。もし、早まって強いて賢彌を誘い出すよ....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
稲村まではかなりの里程があって、『八犬伝』でも一泊二日路であるが、妙椿が浜路を誘拐するに幻術で雲にでも乗って来たら宜さそうなもんだのに、小脇に引っ抱えてズルんか....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ければ、これは拙者が方角ちがいへ来ているのであろう」 「そうかも知れねえ。女を誘拐す悪党などというものは、悪智恵に長けているから、滅多に追いつかれるような方角へ....