拐帯[語句情報] » 拐帯

「拐帯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

拐帯の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
巡査辞職」より 著者:夢野久作
。 ちょうどその頃、一知の父親の乙束仙六は、養蚕の失敗に引続く信用組合の公金|拐帯《かいたい》の尻を引受けて四苦八苦の状態に陥り、東京で近衛《このえ》の中尉を....
少女地獄」より 著者:夢野久作
森栖校長発狂! 虎間女教諭縊死! 川村書記大金拐帯! 黒焦事件の余波か? 【大阪電話】 昨報失踪したる県立高....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
たころから見ると、身綺麗にしていた。彼は今顧問弁護士をしていた会社の金を三万円|拐帯して、留守中の家族と乾分の手当や、のっぴきならない負債の始末をして、一旗揚げ....
眼を開く」より 著者:夢野久作
私の処へ郵便物を持って来てくれたあの金鵄勲章の忠平が、私へ送って来た二百円の金を拐帯して逃げ失せるような男とは、どうしても思えなかった。キットあのトラホームのた....
十二支考」より 著者:南方熊楠
王の妻レーダに通じ生ませた娘で、神を妬《ねた》ますばかりの美貌から、一生に二度|拐帯《かいたい》され、四人の妻となった。トロヤ大合戦もここに起った。人物画の大名....
風流仏」より 著者:幸田露伴
聞かせるでもなかろう、御気の毒だが道理と命と二つならべてぶんなげの七様、昔は密男拐帯も仕てのけたが、穏当なって姪子を売るのではない養女だか妾だか知らぬが百両で縁....
社会時評」より 著者:戸坂潤
三万円あまりの金を取ったという事件である。三月以降警視庁管下だけでも、現職巡査が拐帯、泥酔暴行、賭博現行、収賄、等々で挙げられたのは七八件に止まらないのである。....
解説(『風知草』)」より 著者:宮本百合子
国的にはいりはじめていた警察スパイが、最もあからさまに活躍して、様々の金銭問題、拐帯事件、男女問題を挑発し、共産党員を破廉恥な行為へ誘いこみながら次から次へと組....
黒百合」より 著者:泉鏡花
。」 「嘘を吐けい、誰じゃと思うか、ああ。貴公目下のこの行為は、公の目から見ると拐帯じゃよ、詐偽じゃな。我輩警察のために棄置かん、直ちに貴公のその額へ、白墨で、....
神棚」より 著者:豊島与志雄
ていた。するうちに、松尾が突然姿を隠してしまった。富豪から出さした一万に近い金を拐帯したとの噂だった。富豪の方はどうしたか知らないが、俺達の方では実に困った。幾....
常識」より 著者:豊島与志雄
める気持になっていたからである。 私は一個のルンペンに過ぎなかった。会社の金を拐帯して上海へ飛び、非合法な商売で生活に困らないだけのものを得て、また東京にまい....
緑衣の女」より 著者:松本泰
、彼がマーゲートへ来た理由を打明けて了《しま》った。 「その女は二年前に君の金を拐帯《かいたい》して逃げたというのかね。女がマーゲートへ下車したという事は間違い....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
ャラコさん、驚かないでくださいね。私は、昨年の暮れから世間を騒がせていた三万円の拐帯《かいたい》犯人なんです」 キャラコさんは、だまって佐伯氏の顔を眺めていた....
殺人迷路」より 著者:甲賀三郎
さんと異郷の空で、爛れた生活を送っていました。その間に、牧太郎は父の金をすっかり拐帯しました。その為に姉は自殺し父は狂い死をした事は、みなさんの御承知の事です」....