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「拓殖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

拓殖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
由《いわれ》は、桂の父が、当時世間の大評判であった田中鶴吉の小笠原《おがさわら》拓殖《たくしょく》事業《じぎょう》にひどく感服して、わざわざ書面を送って田中に敬....
満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
こう云う余にも覚《おぼえ》がある。釜山《ふざん》から馬関《ばかん》へ渡る船中で、拓殖《たくしょく》会社の峰八郎君《みねはちろうくん》の妻君に逢《あ》ったとき、八....
光と風と夢」より 著者:中島敦
いる。併し、最も権力のあるのは領事達ではなくて、独逸《ドイツ》人の経営に係る南海拓殖商会であった。島の白人貿易商等の間に在って、此の商会は正《まさ》しく小人国の....
草藪」より 著者:鷹野つぎ
膚の摩擦まで行ってやっていた。 息子は坊やと云われるのがいたく不足で、これでも拓殖大学生なんだぞ、病気をしないでみろ、今ごろはヒリッピンあたりで活躍しているん....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
の補助としなければならなくなって来た。で文部省は二三の高等農林学校内に寺子屋式の拓殖訓練所を設けることにして見たりしている。 すでに東京府では少年少女のために....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
怪物」を、一瞬間でも邪魔することなしに、彼を、彼の大好きな首相、外相、飛行大臣、拓殖大臣等々々の七つの大臣椅子の上に、彼の讃美者に取り巻かせたまま、幸福にしてお....
現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
歩いて帰った、むつかしい顔をして(包紙を)読みながら。アジェンダス・ネタイム……拓殖会社……。彼は鉄色の炎熱に霞んだ家畜を視た。銀色の粉末を振りかけた橄欖樹。静....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
* 手紙の主フリードリッヒ・キューネは、|独逸ニューギニア拓殖会社の年若い幹部であった。以前はお洒落で名高い竜騎兵中尉。それが先年、ベルリ....
不在地主」より 著者:小林多喜二
ものは、移住後概して生活に困難することなし……。」(「北海道移住案内」北海道庁、拓殖部編) 「……数年を経て、開墾の業成るの後は、穀物も蔬菜も豊かに育ち、生計に....
本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
いという憾みがあります。しかるに我が東北地方は、同じ日本の中でありましても、その拓殖の時代が新しく、その歴史が若い。したがって例えば近い所から景色を眺める様なも....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
た奥座敷である。なんとバカげて、大きな邸だろうか? とびっくりしたが、これが日本拓殖銀行総裁の柳田|篤二郎という人の邸であって、迎えに来たのがその夫人、寝ている....
越年」より 著者:岡本かの子
島のいた机の辺りの人に様子を訊いて来る」と言って加奈江はしおしおと立って行った。拓殖会社の大事務室には卓が一見縦横乱雑に並び、帳面立ての上にまで帰航した各船舶か....
北海道の「俊寛」」より 著者:小林多喜二
くり同じ「足」をしているのだ。 夏の間彼等は棒頭にたゝきのめされながら「北海道拓殖のために!」山を崩した。熊のいる原始林を伐り開いて鉄道を敷設した。――だが、....
藤の瓔珞」より 著者:田中貢太郎
処にいると、帰るのがいやになるぞ) 憲一の眼には汚い四畳半の下宿が浮んで来た。拓殖大学に通っている憲一は、小石川の汚い炭屋の二階に下宿しているのであった。 (....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
川の上流に出ることとなった。それからだんだんと内地人を雄勝城にうつし、仙北平野の拓殖も進んで来る。蝦夷も次第に内地化して、いわゆる俘囚となって来たのではあったが....