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「拗く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

拗くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、かさねて金の無心をたのむと、甚右衛門はやはり承知しなかった。それでも豊吉が執拗く口説くので、甚右衛門も持て余したらしく、そんなら神田の近江屋へ行っておれが一....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
の一部が嗜味をそそる食品のように、なまなましく見えたりした。これ等は互い違いに執拗く明滅を繰り返すが、その間にいくつもの意味にならない物の形や、不必要に突き詰め....
河明り」より 著者:岡本かの子
は、既に決定的なものであって、おずおずとは云い出すのだが、云い出した以上、もう執拗く主張して訊き入れなかった。 万治の頃、伊達家が更に深く掘り下げて舟を通すよ....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
たらしいのですが、姉にそれを打ち明けたのがつい一昨日の話で、それから二日の間|執拗く付き纏って、結婚の実行を迫るのでした。けれども、姉は何と云われても一言も口を....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
愛国的デカダンである。国民的の長所は爰であろうが短所も亦爰である。最っと油濃く執拗く腸の底までアルコールに爛らして腹の中から火が燃え立つまでになり得ない。モウパ....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ったが、また一方には平気でいる人もあった。 話はまた前に戻って、かの客はまだ執拗く繰り返した。 「そんなにあなたは、あの世で見て来たことを私に話したくないので....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
しかったので、おれにかまうな、あっちへ行けと言ってやったが、まだ口明けだからと執拗く言うので、早く追い払おうと思ってポケットの金を出しにかかると、彼は言った。 ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
って話したいのだが……」 彼は返事もせずにただ見上げているのである。わたしも執拗く二度とは聞きもせずに見おろしていると、あたかもその時である。最初は漠然とした....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
そりと叩く者があった。 「私、今夜はお詫びに来たの。実際、根も葉もない怨みを、執拗く思い詰めていて、今まで、私、ほんとうに悪かったと思いますわ」 早苗は真赤に....
深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
であったかも知れないと気がついて、もういい加減にその話を打切ろうとすると、兄は執拗く又訊いた。 「その蛇は青いのでしたね。よほど大きいのでしたか。」 「いや、一....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
。それというのも、新しい弟子が来ると、誰彼の見境いもなしに灸をすえてやろうと、執拗く持ちかけるからで、病気ならともかく、若い娘の身で、むやみに灸の跡をつけられて....
勝ずば」より 著者:岡本かの子
は違った意味で華岡医師に帰られるのを辛がった。彼女の病気に就いての詰問も日毎に執拗くなって来た。それは此頃政枝が死の恐怖に襲われるからである。一度死を図って死に....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
す。これは突発的な精神の打撃にはなりませんけれど、その代りに精神を虫食む度合が執拗く、だらだらと生活の張合いを失くしてしまいます。 これをどうしたらいいでしょ....
婚期はずれ」より 著者:織田作之助
、あんた、どんな組織イになってるか知ってなはるかと、セルロイドのマスクのかげで執拗く客に問い掛けると、客は露骨にいやな顔した。永助は尋常科を卒業しただけだが、講....
耳香水」より 著者:大倉燁子
大胆な態度といい、上ずッた調子といいまるで自暴なんですからね。それをまた京都が執拗く追い廻しているんです。 十一時半までは皆離れて座っていましたが、ボーイが気....