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拘束
「拘束〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
拘束の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
その度に薄暗い将来を示し、無造作に実行を不可能にした。彼は勿論学校を憎んだ。殊に
拘束の多い中学を憎んだ。如何に門衛の喇叭《らっぱ》の音は刻薄な響を伝えたであろう....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
命に甘んじなければならぬ。
制限
天才もそれぞれ乗り越え難い或制限に
拘束されている。その制限を発見することは多少の寂しさを与えぬこともない。が、それ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
のくらいは類いなきしるしなるらん。 あわれ黄金時代よ、その世は信心深き族の 何の
拘束も知らず、罰というものの恐れもなく ただ己が心のままに振舞いてやがて善く正し....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
せないのが今の社会である。社会というものは意外ばかなことをやっている。自分がその
拘束に苦しみ切っていながら、依然として他を
拘束しつつある。 四 土....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
するような愚答を臆面もなくスラリと述べた。 「じゃ君は何故、あの車輌に居た乗客を
拘束して置かなかったのか」 「……只今になってそう気が付いたもんですから」 「そ....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
竜宮劇場の中から電話を掛けたんです。私は青竜王に一応|訊問するため、職権をもって
拘束をいたしますから……」 「午後四時十分。――」 と検事は大江山の言葉が聞え....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
るのもあれば、邪魔物扱いにするのもある。記者の方にも、おれは軍人でないから軍隊の
拘束を受けない、と云ったような心持があって、めいめいが自由行動を執るという風があ....
「獄中記」より 著者:大杉栄
だからたぶん僕もそうと信じ切っている。当時の新聞に、僕が大阪で路傍演説をしたとか
拘束されたとか、ちょいちょい書いてあったそうだが、それはみんなまるで根も葉もない....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
新聞記者連の包囲にあわねばならなかった。 「あんたは心臓盗人としての嫌疑を受けて
拘束せられていたのか」 「そうではありません。当局はわしを、烏啼の賊から保護する....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
る番をまっているのじゃないか」 僕はこのところベラン氏の姿を見ないので、さては
拘束されて発狂の三十八人組の中に入っているのに違いないと思った。 「ああベラン君....
「女性の不平とよろこび」より 著者:岡本かの子
だろう。 外側をためてばかりいると、内側の生命が萎縮してしまう。 男が伸々と
拘束なしに内側の生命を伸す間に、女は有史以来|圧えためられてそれを萎縮されてしま....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
たされたる夫婦は、永久に別れて了うことはできない。兎角人間の考は、時間と空間とに
拘束されているので、われ等の住む世界の真相が、腑に落ち難いようである。愛する魂と....
「キド効果」より 著者:海野十三
著かない裡に、早くも警備軍の一隊がドヤドヤと車内に乱入すると、矢庭に全員の自由を
拘束してしまった。 興安嶺トンネル殺人事件! 丘助手は改めて第一図、第二図、....
「荘子」より 著者:岡本かの子
彼女の美しさを発揮するのだ………道は道なき処に却って有るのではないか、彼女の如く
拘束なき処に真の生命の恍惚感が有るのではなかろうか……。 「あなた、遜さんが何か....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
であった。同じ翻訳をするにも『あいびき』や『めぐりあい』時代と違って余り原文には
拘束されないで、自由|気儘にグングン訳し、「昔のような糞正直な所為はしない、拙い....