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拙僧
「拙僧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
拙僧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
しお礼の申し上げようもござらぬ。たとい如何ほどの重病たりとも、当日の導師の務めは
拙僧かならず相勤め申す。この趣《おもむき》、殿下へよろしくお取次ぎを……」 見....
「右門捕物帖 三十番手柄 帯解け仏法」より 著者:山中貞雄
居ないんですもの」 と言った。和尚が T「此処には居なくとも御仏の御力を借りて
拙僧が」 T「必ッとその御方を貴女の眼の前へ御連れします」 おふみ、 「馬鹿....
「八人みさきの話」より 著者:田中貢太郎
て、何人にも知らせないようにと、飯時には握飯を拵えて己でそれを持って往った。 「
拙僧の命に代えても、奥様とお子様達は、おかくまい申します」 住職はこう云って六....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
ら私も知ってる。ウチの寺へ石塔を建てて、その細工賃を一年ばかり石屋へ引っかけて、
拙僧に迷惑をかけとる奴じゃ。ええ気味じゃええ気味じゃ。文句附けに来たら私が出てネ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いろ》をして現われ、 「お待たせ致しました」 「先日は失礼致しました」 「いや、
拙僧こそ。あの時は多忙にとりまぎれて、余儀なく失礼を仕《つかまつ》りました、今日....
「轆轤首」より 著者:田中貢太郎
申す妖怪の首でござる。これへついておるのは、妖怪の方から勝手に啖いついたまでで、
拙僧の知ったことではござらぬ」 怪量は詳しく当時の模様を語した。時どき自分で可....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
と、番僧が大火鉢で、肘《ひじ》まで赤いたこをこしらえて、ガンばってあたりながら、
拙僧《わし》にもくれよとか、雑巾《ぞうきん》の寄附がすけなくなったのという。食物....
「葬られたる秘密」より 著者:小泉八雲
、箪笥にはもう何も御座いませんのです』――大玄和尚は言った『宜しい、では、今夜|
拙僧が御宅へ上り、その部屋で番をいたし、どうしたらいいか考えてみるで御座ろう。ど....
「お奈良さま」より 著者:坂口安吾
題は自然に解決します」 「ところが、まことに申しづらいことですが、あの方のことは
拙僧の生れながらの持病でしてな。人格品性のいかんにかかわらず、
拙僧といたしてはこ....
「行雲流水」より 著者:坂口安吾
れ。和尚さんも、大方、そうでしょうネ。まったく、呆れて物が言えないよ」 「だから
拙僧に頼んでもムダだ。私だったら二人を一緒にしてしまうから、そう思いなさい。罪な....
「犬神娘」より 著者:国枝史郎
れなるお方は野村|望東尼殿じゃ。……福岡において誰知らぬ者とてはない、女侠にして
拙僧の野村望東尼殿じゃ。……和歌の会|催そうそのために、望東尼殿も拙者も参会した....
「狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
娘の両親の中でも、あの父親は腹からの町人で御座いまっしょう」 「ヘエヘエ。それは
拙僧が一番良う存じております。あの蔵元屋の御主人の伊兵衛どんと申しまするは元来、....
「老狸伝」より 著者:佐藤垢石
うていたのである。小さい僧は、正通和尚を見ると、立ち上がって丁寧に挨拶してから、
拙僧を弟子にして、どこかへ連れて行ってくだされ、と頼むのである。 そこで和尚は....
「法然行伝」より 著者:中里介山
橋が御室(鳥羽院第五の皇子|覚性法親王《かくしょうほうしんのう》)の御前で、 「
拙僧も自門他門多くの学生達《がくしょうたち》に会いましたけれども、この法然房のよ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
御縁すじか」 「いえ、そのような者では」 「さもなくば、宮方のお一人じゃろうが。
拙僧の観るところ、ただの具足師とは思えん。お隠しあるな。そう見たればこそ、お打ち....