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拙劣
「拙劣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
拙劣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
一つ書いてない。
自分はあなたの八犬伝といい、巡島記といい、あんな長たらしい、
拙劣な読本を根気よく読んであげたが、あなたは私のたった六冊物の読本に眼を通すのさ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
いた。が、文字にする時は兎《と》に角《かく》、わたしの口ずから話した※はいずれも
拙劣を極めたものだった。
又
わたしは第三者と一人の女を共有すること....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
だけ原書の詩一行分はやはり一行に訳するように努めた。その結果は見られる通りの甚だ
拙劣で読みづらいものになってしまったのである。読者もしこの拙訳と同時にまた一戸君....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
、凡そ泥棒と名のつく人間の誰でもやるであろうところの平々凡々の手だ。そして同時に
拙劣な手でもある。――私はそんな手は採用しなかった。 そこで私の第二段の計画に....
「地球盗難」より 著者:海野十三
る。一体その行方は何処であるか。佐々砲弾はどんな気持で乗っているのだろう。地球に
拙劣な着陸をして一命を隕とすよりはいいけれど、行方も見当がつかないのでは仕方がな....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
ないために、そこにゆがみを生ずる原因があると考える。これはめずらしくないことだ。
拙劣《せつれつ》な変調装置を使うとか、マイクロホンがよくないとか、増幅装置《ぞう....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
番|煎じかの出がらしだ。しかも入れ替えていった模写画というのが、一目でそれと分る
拙劣な画だ。 「してみると、あの画を盗んでいった奴は、大した泥棒じゃあないね」 ....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
せる巨艦を射撃して、二十門の砲手が、悉く中り外れたとでも仰有るのかね。なんという
拙劣な砲手ども揃いじゃろう」 「ああ、うーむ、それは……」 ヤーネルの赤い赭い....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
彼等の技術は最高のものと言われているかも知れないが、しかし、いつかは彼等の技術を
拙劣だとする時代が来ることを、私は信じている。 私はことさらに奇矯な言を弄して....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
てお説法やお談義は、折角芸術を好きなものまで嫌いにさせて了う、手段としても極めて
拙劣な非芸術的のものである。 又、此の種の民衆芸術は、近代の謂わゆる社会劇とも....
「ニッポン音楽」より 著者:兼常清佐
ほど感激しません。そして不幸にして三味線の唄の文句は、ニッポンの文学の中でも一番
拙劣なものの例の一つに数えていいでしょう。第一唄全体が何をいったものかそれさえろ....
「フランス料理について」より 著者:北大路魯山人
敵するよさを持っているが、鶏肉は雛であるから味の鳥としては推奨できない。しかも、
拙劣な料理法によって煮殺している魚介ときては、品種が日本の百に対して一、二であろ....
「西航日録」より 著者:井上円了
、ただ滞在中ことに感触せるもの、これを言文一致的の詩または歌につづりおきたれば、
拙劣をかえりみず、左に録して紀行に代えんとす。 バルレー村につきてよめる歌は左....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
存上の当然の要求であらねばならぬ。しかもこの闘争に於いて、彼らの取った手段は常に
拙劣であった。これが為に彼らは一層当路者と一般世間の嫌悪を招き、結局敗残の極みに....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
掲げて、似たような研究を繰り返すのは、礼において欠くるところがあり、自分としても
拙劣な感がないではないが、これは学問のために特別の御容赦に与り、自分にとってもま....