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「拙宅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

拙宅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蘭学事始」より 著者:菊池寛
じた。彼らは、異常な感激で結び合された。 「しからば、善はいそげと申す。明日より拙宅へお越しなされい!」 良沢は、その大きい目を輝かしながらいった。 六 約....
高島異誌」より 著者:国枝史郎
じゃの?」 「爾来、平穏無事でござる」 「それは何より結構じゃ。……どうじゃな、拙宅へ参られては?」 「ご庵室は何処にござりますな?」 「此洞穴の根方にござるよ....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
きましょうか。牛込ですが」 「私の家は直ぐそこですから」 洋服男が云った。 「拙宅までお出下さいませんか」 路々話したところに依ると、彼の名は谷田義三と云っ....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
、斯様な人ざかしい処で兎や斯う云えば貴公の恥お嬢様の辱になるから、甚だ見苦しいが拙宅へお招ぎ申して、一口差上げ、にっこり笑ってお別れにしたら宜かろう」 甲「これ....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
かな。……ひどくあの時は一式氏、いつもに似げなくお弱うござんしたな」 「留守中の拙宅を襲ったのも、貴殿一味でござろうがな」 「敏感敏感、その通りで」 「だからよ....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
申すようでございますが、岡野三|太夫様なぞは、以前は殿様/\と申上げたお方だが、拙宅へお手紙で無心をなさるとは、どのくらいの御苦労か知れません、私に手を突いて御....
無毛談」より 著者:坂口安吾
られない。 先日、酔っ払って、このことを忘れて、横山隆一、泰三の御兄弟を深夜の拙宅へ案内した。気がついた時は、もう、おそい。もっとも、兄弟だから、いゝようなも....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
えて、善処させる」 その翌日である。 H氏となんとか組のなんとか氏が同道して拙宅をたずねた。 「お前さんはオレがよぶまで上ってくるな。荒っぽい音がするかも知....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
きすることが残っているだけのようです。では皆さん、今日はさよなら。明日の午ごろ、拙宅でお目にかかりましょう。誰が犯人か、それは明日までのオタノシミ」 新十郎は....
赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
知れましょう。この点ご心配には及びませぬ」 「左様か」と卜翁は素気なく、 「して拙宅を訪ねられたは何かご用のござってかな?」 「左様」と鹿十郎は云ったものの、ど....
銀三十枚」より 著者:国枝史郎
。たいして愉快な型ではないが。 「はなはだ突然で不作法ですが、ご迷惑でなかったら拙宅へ、これからおいで下さるまいか。お見せしたい物がありますので、恐らくお気にも....
能面の秘密」より 著者:坂口安吾
はそれに答えずに、 「とにかく今晩、夜が更けてから実験してみましょう。十二時ごろ拙宅へお越し下さい。小さな実験です。これが思うようにいっても、まだのみこめないこ....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ことになっております。中山家と、私宅とは今日親密の交際を致し、同氏出京の時は必ず拙宅に訪問されております。右ようなわけにて師匠東雲師の跡はまずよろしき方で残っているわけであります。....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
」 私は素直に牧氏のいう通りに従いました。牧氏は直ぐ坐を立って出て行きました。拙宅からは竹町は二丁位の所、牧氏は直ぐ其所だから訳はないといって出て行きました。....
魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
味を引き出すと低い声で、 「拝啓、菊花の候益々御多祥奉賀候、就ては来る十月十五日拙宅において、いささか祖先珍重いたせし物、当家としては家宝とも称すべき品々、展観....