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拙者
「拙者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
拙者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
訳には行かなかった。そこで彼は甚太夫を呼んで、「ああ云う見苦しい負を取られては、
拙者の眼がね違いばかりではすまされぬ。改めて三本勝負を致されるか、それとも
拙者が....
「星座」より 著者:有島武郎
けた奥さんの腰から下が渡瀬のすぐ眼の前にちらついた。
「無礼者……とは、かく申す
拙者《せっしゃ》のことですよ……酔っている? 酔っているかと問われれば、酔ってい....
「海底大陸」より 著者:海野十三
ます。えへん」 ドリー老人は、はげ頭をつるりとなでて、言葉をついだ。 「ええ、
拙者はまずクイ先生の説を反駁します。先生の御説は、たいへん面白いのでありますが、....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
に、留守をしていては申訳ないからね」 「途中から引返したのか」 「とんでもない。
拙者は原の町行きの切符を買っただけのことでござる」 「でも、確かに袋探偵は玄関か....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
いてあった文面が、また興味あるものなんです。こう書いてありましたがね、“告白書。
拙者乃チ旗田鶴彌ハ昭和十五年八月九日午後十時鶴見工場ニ於テ土井健作ヲ熔鉱炉ニ突落....
「怪塔王」より 著者:海野十三
この質問に、大尉はおどろいて、戸棚から顔をだしました。 「悪人? さあ、それが
拙者にはどうもわからなくなったんだ。もともと博士は、じつに尊敬すべき学者だとおも....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
なる。――老人田舎もののしょうがには、山の芋を穿って鰻とする法を飲込んでいるて。
拙者、足軽ではござれども、(真面目に)松本の藩士、士族でえす。刀に掛けても、追つ....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
五人も切らせるたァ、それは切らせる方に手落ちがあるのだ。よォし、これから行って、
拙者の腕を見せてくれる!」 「いや、それでは
拙者も連れていってくれ」 「ならぬな....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
返る者あれば、煩わしさに隠れ終せぬ、見て驚くは其奴の罪じゃ。 いかに客僧、まだ
拙者を疑わるるか。」 と莞爾として、客僧の坊主頭を、やがて天井から瞰下しつつ、....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
視めて、 「南無三宝。」と慌しく引込める。 「何んじゃそれは。」 「ははははは、
拙者うまれつき粗忽にいたして、よくものを落す処から、内の婆どのが計略で、手袋を、....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
かり宴会があって、多勢お見えになっていますから。……ああと……こっちが可いわ。」
拙者生れてより、今この年配で、人見知りはしないというのに、さらさら三方をカーテン....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
候、御身と近藤重隆殿とは許婚に有之候 然るに御身は殊の外|彼の人を忌嫌い候様子、
拙者の眼に相見え候えば、女ながらも其由のいい聞け難くて、臨終の際まで黙し候 さ候....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
る処へ、また竜川とかいう千破矢の家の家老が貴方、参ったんだそうで、御主人の安否は
拙者がか何かで、昔取った杵柄だ、腕に覚えがありますから、こりゃ強うがす、覚悟をし....
「西航日録」より 著者:井上円了
ちろんなり。 インド出発後、船中の乗客はみな白人種にして、他人種は黄色人種たる
拙者一人のみなれば、自然の勢い、白人種に圧倒せらるる傾向あり。ゆえに余、さらに一....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
州に向かいて発程す。本邦を去るに臨み、左の書簡をもって知友に告別す。 のぶれば
拙者事、明治二十三年十一月より本年二月までに、前後二回全国を周遊し、御詔勅の聖旨....