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拙速
「拙速〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
拙速の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
上げて居たものが、百部も二百部も仕上げねば勘定に合わぬ事になったので、巧遅よりも
拙速という事に変じたのである、
拙速……粗雑でも早いがよい……これが製本技術の低下....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
りますまい。これは彫刻というような特殊の芸術を需要の多いのに任せて濫作する弊……
拙速を尚んで、間に合せをして、代金を唯一目的にする……すなわち余りに商品的に彫刻....
「一つの思考実験」より 著者:寺田寅彦
和な意味でのプロレタリアは、実際めいめいのまじめな仕事に真剣に従事している限り、
拙速主義の疑わしい知識に飛びついて朝夕心を騒がせ気をいら立てる必要は毛頭ないので....
「現代の主題」より 著者:宮本百合子
が、世界の間に自立的な伝統と立場とを確立していず、いつも、うすら寒いすばしこさや
拙速や漁夫の利で、その場その場を打開し糊塗してきた、その影響である。明治から大正....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
議会に提出するという。議会はいつ開かれるのかまだ決定していないらしいが、内務省は
拙速主義でその成案を得ることにするそうである。つまり風水害地に於ける金融無能者は....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
本年は私の文筆的生涯のうちで、決して尠い仕事をした年ではありませんでした。所謂
拙速的仕事もしなければならないこともあったが、私の
拙速は決して投げたものではなく....
「調査機関」より 著者:中井正一
ののように考えられ、その成果もガリ版などで速報的に処理されるので、作業そのものが
拙速で権威のない仕事に陥りがちである。総じて欧米先進国に比べて、わが国では学問と....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
頗る興味を持って大に満足して職務を服した。 然るに新聞紙の材料は巧遅なるよりは
拙速を重んじ、堂々たる大論文よりは新鮮なる零細の記事、深く考慮すべき含蓄ある説明....