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「招き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

招きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
着た少女は特にずんずん進んでいた。と思うと乳ほどの水の中に立ち、もう一人の少女を招きながら、何か甲高《かんだか》い声をあげた。その顔は大きい海水帽のうちに遠目《....
或る女」より 著者:有島武郎
に対しても同様の交際を続ける必要のないのを遺憾に思う。明晩(すなわちその夜)のお招きにも出席しかねる、と剣《けん》もほろろに書き連ねて、追伸《ついしん》に、先日....
或る女」より 著者:有島武郎
から夢にも経験しない事だった。これまで葉子が死の問題を考えた時には、どうして死を招き寄せようかという事ばかりだった。しかし今は死のほうがそろそろと近寄って来てい....
星座」より 著者:有島武郎
絡が(ガンベが『貴様は』といって力自慢の拳を振り上げた。柿江は本当に恐ろしがって招き猫のような恰好をした)乱暴はよせよ。……貴様の議論には、その議論を統一する哲....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
渠の言うがままに車を下れば、 「どうかこちらへ」と御者はおのれの立てる馬のそばに招きぬ。美人はますますその意を得ざれども、なお渠の言うがままに進み寄りぬ。御者は....
高野聖」より 著者:泉鏡花
く、汽車を下《おり》ると停車場《ステイション》の出口から町端《まちはな》へかけて招きの提灯《ちょうちん》、印傘《しるしがさ》の堤《つつみ》を築き、潜抜《くぐりぬ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
、青年は目を外らしたが、今は仕切の外に控えた、ボオイと硝子越に顔の合ったのを、手招きして、 「珈琲を。」 「ああ、こちらへも。」 と貴婦人も註文しながら、 「....
朱日記」より 著者:泉鏡花
た事はない。しかもお前、その娘が、ちらちらと白い指でめんない千鳥をするように、手招きで引着けるから、うっかり列を抜けて、その傍へ寄ったそうよ。それを私は何も知ら....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
一体、悪魔を払う趣意だと云うが、どうやら夜陰のこの業体は、魑魅魍魎の類を、呼出し招き寄せるに髣髴として、実は、希有に、怪しく不気味なものである。 しかもちと来....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ある人たちもあらわれて来た。そういう時には、ラザルスはいつも素直に無礼なかれらの招きに応じた。皇帝アウガスタスは国事に追われて、彼を召すのがだんだんに延びていた....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
参りましたそうでございます。そしてこれはお米から聞いた話ではございません、爺をお招きになりましたことなんぞ、私はちっとも存じないでおりますと、ちょうどその卜を立....
黒百合」より 著者:泉鏡花
のであろう。人|可懐げにも見えて近々と寄って来る。お雪は細い音に立てて唇を吸って招きながら、つかつかと出て袂を振った、横ぎる光の蛍の火に、細い姿は園生にちらちら....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
「さ、祝杯を上げようよ。」 「ぴい、ぷう。」 空嘯いて、笛を鳴す。 夫人が手招きをした。何が故に、そのうしろに竜女の祠がないのであろう、塚の前に面影に立った....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
ちが、その方をずたずたに斬ってしまうぞ」 神将は戟を高く挙げて、向うの山の空を招きました。その途端に闇がさっと裂けると、驚いたことには無数の神兵が、雲の如く空....
山吹」より 著者:泉鏡花
どうするの――どうするのよ。 人形使 (ものいわず、皺手をさしのべて、ただ招く。招きつつ、あとじさりに次第に樹立に入る。) 夫人 どうするのさ。どうするのよ。(....