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拝借
「拝借〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
拝借の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
馬琴は喜んで、この親友をわざわざ玄関まで、迎えに出た。
「今日《こんにち》は
拝借した書物を御返却かたがた、お目にかけたいものがあって、参上しました。」
崋....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
小説をとざした後、静かに彼の顔へ目を擡《もた》げた。
「粟野さん。さっきのお金を
拝借させて下さい。どうもいろいろ考えて見ると、
拝借した方が好《い》いようですから....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
回答するのは僭越極まる次第であるが、私の尊敬する白柳秀湖、清水芳太郎両氏の意見を
拝借して、若干の意見を述べる。 文明の性格は気候風土の影響を受けることが極めて....
「春昼」より 著者:泉鏡花
もござった、ははは、」 と、も一ツ机の下から。 「それではお邪魔を、ちょっと、
拝借。」 とこなたは敷居越に腰をかけて、此処からも空に連なる、海の色より、より....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
、この芝居はおれが書いたんじゃなくて、ここにお出でなさる名探偵袋猫々先生にお智慧
拝借の結果だよ。猫々先生によくお礼を申上げなよ。……しかしおれはお前のお蔭で、こ....
「恐竜島」より 著者:海野十三
ん、誰が乗って来たのだろう、今の我々にはなんといっても絶好《ぜっこう》の味方だ。
拝借《はいしゃく》しょう」 二人はすべるように崖を下っていった。 ボートはモ....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
その直後に連絡がぱったり切れてしまったのです。それについてぜひともあなたのお力を
拝借したい。どうかすぐ隊へ来て下さい。なおこの事件は絶対に秘密ですから、ご承知置....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
私のだものですから。――それに濡れてはおりますし……」 「それは……そいつは是非
拝借しましょう。貸して下さい。」 「でも、貴方。」 「いや、結構、是非願います。....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
ま蓮葉に出ました。 私は※となった。 が、ここだ、と一番、三盃の酔の元気で、
拝借の、その、女の浴衣の、袖を二三度、両方へ引張り引張り、ぐっと膝を突向けて、 ....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
大意を語られしに、翁は非常に喜び、善くも書かれたり、ゆるゆる熟読したきにつき暫時
拝借を請うとありければ、その稿本を翁の許に留めて帰られしという。木村氏といい栗本....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
いた。 「小児は影法師も授りません。……ただあやかりとう存じます。――写真は……
拝借出来るのでございましょうか。」 舌はここで爛れても、よその女を恋うるとは言....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
おあがり、どうだね。」 「済みません、どうも五千疋御散財をかけました上に御羽織を
拝借、その上|御馳走でございます。ほんとうに先生は、金主と作者と、衣裳方と、振つ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ております、)などと遣ったですて。 まず、これへ、と人様のものでお愛想。自分も
拝借をしておりましたし、まだ二ばかり据えてありました陶器ものの床几を進めると、悪....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
なさいましよ。主人が留守だもんですから、少姐さんのお部屋でついお心易立にお炬燵を
拝借して、続物を読んで頂いておりました処が、」 「つい眠くなったじゃあないか、」....
「明治懐顧」より 著者:上村松園
は、作品批評などはありませんでした。社中の人々は出品する以前に、先生からお手本を
拝借して、それで描いて、みて頂くのです。そこでお手本ですが、松年先生は、夜など来....