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拝啓
「拝啓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
拝啓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
椅子の上に仰向けになって、紙切小刀《かみきりこがたな》も使わずに封を切った。
「
拝啓、貴下の夫人が貞操を守られざるは、再三御忠告……貴下が今日《こんにち》に至る....
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
どうか一応問い合わせて見ることに肚をきめた。その内容はつぎのようなものであった。
拝啓 貴女のとられたる奇怪な行動は近頃もって了解に苦しむところに御座候。かよう....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
「速達!」 三月三日の午ごろに、一通の速達郵便がわたしの家の玄関に投げ込まれた。
拝啓。春雪|霏々、このゆうべに一会なかるべけんやと存じ候。万障を排して、本日午後....
「遺書」より 著者:尾崎秀実
拝啓 昨日はおいそがしいところを貴重な時間を割き御引見下され有難う存じました。....
「恭三の父」より 著者:加能作次郎
く意見する様に言った。 恭三も最早争うまいと思つたが、 「だってお父様、こんな
拝啓とか頓首とかお定り文句ばかりですもの、いくら長々と書いてあっても何にも意味の....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
きっと噛みしめた。 石子刑事に宛てた支倉の手紙には次のような事が書かれていた。
拝啓 過日|態※御来訪下され候節は失礼仕候。一旦御同行申すべきよう申し候え共、....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
2 闇成金の苅谷勘一郎氏の許へ、その朝恐るべき脅迫状が舞いこんだ。 “脅迫状。
拝啓、来る十一月十一日を期し、貴殿夫人|繭子どのを誘拐いたすべく候間お渡し下され....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
験して見せた。ブルデット・クート男爵夫人に出した手紙には、 五月十七日、金曜日、
拝啓明日四時にマックス・ミュラー氏の講演すみし後、サー・ヘンリー・ホーランドに近....
「瘠我慢の説」より 著者:榎本武揚
福沢先生の手簡
拝啓仕候。陳ば過日|瘠我慢之説と題したる草稿一冊を呈し候。或は御一読も被成下候哉....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
、同年十一月十九日夜、夢中に現見せる奇事なれば、ここに記載して読者の参考となす。
拝啓、小生は小鳥類を餌養し、籠中に運動し、余念なく時節につれて囀啼するを見聞し、....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
を快としたそうだ。 二葉亭の提調生活は当時私に送った次の手紙に髣髴としておる。
拝啓、今日は支那の十二月二十八日にて学校も冬期休業中ゆゑいたって閑散なるべき理窟....
「城」より 著者:カフカフランツ
に――手にした手紙へ注意をもどし、それを開いた。手紙の文句は次のようだった。
「
拝啓。すでにご存じのように、あなたは領主の仕事に採用されました。あなたのすぐ上に....
「「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
せる依頼書は、ほぼその趣意を述べ尽せりと信ずるが故に、まず左にこれを掲載すべし。
拝啓。ますます御多祥奉慶賀候う。さて小生義多年日本歴史地理学会の経営に参与仕り、....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
立てをやるそうだ」と白い角封筒を渡した。 次長は中味を引き出すと低い声で、 「
拝啓、菊花の候益々御多祥奉賀候、就ては来る十月十五日拙宅において、いささか祖先珍....
「茂吉の一面」より 著者:宇野浩二
昭和十一年一月三十一日の絵葉書は、上の方に「石見国府址伊甘の池」の写真の下に、「
拝啓 今般は御高著いただきいつも乍ら御同情感謝にたへませぬ 高級小説になると見さ....