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拡声器
「拡声器〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
拡声器の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「古典風」より 著者:太宰治
なって死にたい。 ○コーヒー八杯呑んでみる。なんともなし。 ○文化の敵、ラジオ。
拡声器。 ○自転車一台購入。べつに使途なし。 ○もりたや女将《おかみ》に六百円手....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
る。果してその現場にどんなものが待っているだろうか。 遂に時到る 船室の連絡用
拡声器から、警報ブザーの音が気味わるく響いた。乗組員たちは、それぞれの胸に、どき....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ではなかったのでありますが、理屈としては密集隊形の指揮単位は大隊です。今のように
拡声器が発達すれば「前へ進め」と三千名の連隊を一斉に動かし得るかも知れませんが、....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
日本の土の底から聞こえて来るわれわれの祖先の声である。 謡う人の姿を見ないで、
拡声器の中から響く声だけを聞く事によって、そういう感じがかえって切実になるようで....
「野球時代」より 著者:寺田寅彦
の放送を聞いているところであった。それはなんの放送だか彼にはわからなかった。ただ
拡声器からガヤガヤという騒音が流れだしている中に交じって早口にせき込んでしゃべっ....
「路傍の草」より 著者:寺田寅彦
騒々しくて聞いていられない。 このほうの玄人に聞いてみると、飲食店や店頭にある
拡声器が不完全なためにそういう事になるので、よく調節された器械で鉱石検波器を使っ....
「試験管」より 著者:寺田寅彦
せるという自動調整器を持参しているのであろうか。 銀座の楽器店の軒ばにつるした
拡声器が「島の娘」のメロディーを放散していると、いつのまにか十人十五人の集団がそ....
「沓掛より」より 著者:寺田寅彦
に飛び込んで来るので踊り手はちょっと狼狽してまた初手からやり直しになる。すると、
拡声器の調節が悪いためか、歌がちょうど咽喉にでも引っかかるようにひっかかってぷつ....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
え、船室といってもいいでしょうね」 博士の声は、この部屋のどこかに取付けてある
拡声器から流れ出てくるようだ。目の前にある戸棚のどこかに仕掛があるらしい。 「す....
「空襲警報」より 著者:海野十三
「あら、いよいよ始まったの……」 姉は正坊をソッと寝かしつけて、立ってきた。
拡声器からは、声なじみの中内アナウンサーの声が一句一句強くハッキリと流れてくる…....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
娘姿を映出すのは――何とか区、何とか町、何とか様ア――と、大入の劇場から女の声の
拡声器で、木戸口へ呼出すように楽には行かない。なかなかもって、アテナ洋墨や、日用....
「ラジオ雑感」より 著者:寺田寅彦
である。 ある日偶然上野の精養軒の待合室で初めてJOAKの放送を聞いたが、その
拡声器の発する音は実に恐るべき辟易すべきものであった。そのためになおさら自分のラ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
らだってきた。自分は生きてる人間に口をきかせようとしたのであって、悪魔ファネルに
拡声器で喚《わめ》かせようとしたのではないと、その尊重すべき婦人に注意した。彼女....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
決議が出来た。すこぶる激越の調子を帯びた決議文が成文された。 「われ等はラジオの
拡声器を職業の敵と認める。われらは
拡声器に対し戦いを宣す。」 この決議文を握ら....
「落日の光景」より 著者:外村繁
思わず力が入ったのは、妻に、或は私自身に言い聞かせたのかも知れない。 病室内の
拡声器が妻の名を呼ぶ。妻はそれに答えてから、寝台を下り、私とともに階下へ行く。妻....