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拡散
「拡散〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
拡散の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
星となっているすべての物質は、最初には、これら諸天体の現に運行している空間の中に
拡散していた。』この微塵のような物質の中点、そこは今太陽のある点であるが、この点....
「とんびと油揚」より 著者:寺田寅彦
して、底面に直接触れていた水はほとんど全部この幅の狭い上昇部に集注され、ほとんど
拡散することなくして上昇する。もし器底に一粒の色素を置けば、それから発する色づい....
「比較言語学における統計的研究法の可能性について」より 著者:寺田寅彦
間の世界の一部において任意の時代に発生した文化の産物のすべてのものが、時とともに
拡散して行くのは、ちょうど水の中にたらした一滴のアルコホルの
拡散して行く過程と、....
「自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
るにほとんどまだ目鼻もつきかねたようなありさまであるらしい。ともかくもこの現象は
拡散に随伴する週期的現象である。言わば√-1を含むイマジナリーな部分から成る
拡散....
「日本楽器の名称」より 著者:寺田寅彦
地点に発生した文化の産物は時間の経過とともに人為的のあらゆる障壁を無視して四方に
拡散するのは当然である。永代橋から一|樽の酒をこぼせば、その中の分子の少なくもあ....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
一面の凝霜の少なくも一部分は、隊員四十余名の口から吐きだされた水蒸気がこの廊下へ
拡散して来て徐々に凝結したものではないかと想像してみた。そう想像することによって....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
外巧妙な発明である。光線に対しては乳色ガラスのランプシェードのように光を弱めずに
拡散する効果があり、風に対してもその力を弱めてしかも適宜な空気の流通を調節する効....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
気がすくなくなって、そのところでは太陽の光がいわゆる乱反射《らんはんしゃ》をして
拡散《かくさん》しないために、あたりは暗いのであった。 しかし太陽は上空に、丸....
「雑記(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
である。これがみな複雑な渦動の団塊であって、六かしい運動を続けながら、だんだんに
拡散して行くのである。昨年九月一日|被服廠跡で起った火焔の渦巻を支配したと同じ方....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
しょうか。この肝臓炎は満州事変頃よりポツポツ内地に侵入、昭和十三年より急速に増加
拡散して国民の全階層にシンジュンいたした事が実証されます。まことに国防医学上、天....
「古木」より 著者:豊島与志雄
く飛び交い囀りました。或る時、飛行機から撒かれた電波妨害の錫箔が何かのために充分
拡散せず、長く連続したまま団りあって落ちて来、それが、この木に引っかかりました。....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
一端に重クロム酸|加里の結晶を浸しますと、その結晶が段々溶けて、皿の底面に沿って
拡散して行き、中央の水銀球に触れると、恰もその水銀球は、生物であるかの如く動き始....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
太陽光線をさえぎったため、下界は日蝕のように暗闇となったが、三分もたつと煙の膨張
拡散するにともない、その密度が小さくなって、再び太陽の光と熱とをわずかに通過せし....