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拮抗
「拮抗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
拮抗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「沼地」より 著者:芥川竜之介
悲壮の感激を受けた。実際同じ会場に懸かっている大小さまざまな画の中で、この一枚に
拮抗《きっこう》し得るほど力強い画は、どこにも見出す事が出来なかったのである。
....
「十万石の怪談」より 著者:佐々木味津三
――会津中将松平容保が薩長の執拗な江戸追討を憤って、単身あくまでもその暴虐横暴に
拮抗すべく、孤城若松に立て籠ってから丁度六日目のことだった。勿論、その討伐軍は大....
「読書法」より 著者:戸坂潤
を世界文化の観点から見る。「芸術の国民的評価と世界的評価」に於ては、三つの評価の
拮抗によって両者の高まった一致の可能性を説く。之はヨーロッパで日本文学を見た著者....
「惜別」より 著者:太宰治
蘭医に依って口火を切られたのだと言っていた。一日も早く西洋の科学を消化して列国に
拮抗しなければ、支那もまた、いたずらに老大国の自讃に酔いながら、みるみるお隣りの....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
関係乃至関数関係が、落ちつく処へ落ちつかないからである。人間同志の機械的な相克・
拮抗の貸借対照表が、人間関係の関数関係乃至方程式が、そうしないとこの段階の横光に....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
。矛盾を指摘するということは、文化なら文化について、自分の文化を相手の文化に対立
拮抗させることによって、そういうことを実行していることによって、初めて出来ること....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
ハッキリとした形で、姿を現わした。――諸々の吏道はたしかに相互の対抗として、競争
拮抗するかのような関係で勃発した。だが固より日本の吏道は一あって二あるものではな....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
は、「市井的で商人的で平和的でイギリス的な」社会主義を唾棄《だき》して、世界は「
拮抗《きっこう》をもって法則とし、」犠牲に、たえず繰り返される常住の犠牲に生きて....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
り越す人々、死よりもさらに強い人々は、ただ不幸のうちにおいてのみ知らるる。不幸に
拮抗《きっこう》し得る者はきわめて少ない。自分の信頼してる魂が――(愛する芸術家....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
うに考えられた。 まったく、その夢の最高頂においては、あの厭わしい現実の苦悶と
拮抗できるのであった。しかし、一方において彼は、その人魚の形が、両肢の癒合した一....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
じゃあ俺はアルセーヌ・ルパンとあえて云おう。ところで君はこのアルセーヌ・ルパンと
拮抗して戦ってみるつもりなのかい。フン。官房主事閣下、少しは自分の身も考えてみる....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
龍吉で、杉浦が露国における日本の商人を代表していた。徳永は新進であったが、杉浦と
拮抗して大いに雄飛しようとし、あたかも哈爾賓に手を伸ばして新たに支店を開こうとす....
「明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
何といっても日本の最高学府たる帝国大学に対しては民間私学は顔色なき中に優に大学と
拮抗して覇を立つるに足るは実業における三田と文学における早稲田とで、この早稲田の....
「鱧・穴子・鰻の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
鱧 茶漬けの中でも、もっとも美味いもののひとつに、はもの茶漬けがある。これは刺身でやるたい茶漬けと
拮抗する美味さだ。洋食の流行する以前の京、大阪の子どもに、「どんなご馳走が好きか....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
りして並びない全盛をみせていた。 が、一※たび由良の人気をえたあとはその全盛に
拮抗するくらい何のわけもないことだった。間もなく、由良は、日本橋|中洲の芝居の太....