»
拵
「拵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
拵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
と、重吉が持ち出した手切れ話に(尤もその話の条件などは事実上彼よりもお鳥やお鈴が
拵《こしら》えたと言うのに近いものだった。)存外素直に承諾した。それは又お鈴が恐....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
、――そういう希望を持っていたのです。それだけに今度はがっかりしました。何も男を
拵《こしら》えるのなら、浪花節語りには限らないものを。あんなに芸事には身を入れて....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
いたずらず》きな御同輩たちは、半信半疑でいらっしゃりながら、早速御姫様の偽手紙を
拵《こしら》えて、折からの藤《ふじ》の枝か何かにつけたまま、それを左大弁様の許へ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
う。それがまた幸《さいわ》いと、即座に話がまとまって、表向きの仲人《なこうど》を
拵《こしら》えるが早いか、その秋の中に婚礼も滞《とどこお》りなくすんでしまったの....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
のまた鬼の妻や娘も機《はた》を織ったり、酒を醸《かも》したり、蘭《らん》の花束を
拵《こしら》えたり、我々人間の妻や娘と少しも変らずに暮らしていた。殊にもう髪の白....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
。半之丞はこの金を握るが早いか、腕時計《うでどけい》を買ったり、背広《せびろ》を
拵《こしら》えたり、「青ペン」のお松《まつ》と「お」の字町へ行ったり、たちまち豪....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
お絹《きぬ》が、来月は長唄のお浚《さら》いがあるから、今度は自分にも着物を一つ、
拵《こしら》えてくれろと云い出した。父はにやにや笑ったぎり、全然その言葉に取り合....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
暮しているのは、気が咎《とが》める。本間さんはとうとう思い切って、雨が降るのに荷
拵《にごしら》えが出来ると、俵屋《たわらや》の玄関から俥《くるま》を駆って、制服....
「死後」より 著者:芥川竜之介
とは感じなかった。
妻は茶の間の縁側《えんがわ》に坐り、竹の皮の鎧《よろい》を
拵《こしら》えていた。妻のいまわりはそのために乾皮《ひぞ》った竹の皮だらけだった....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
ね。」
「砂と云うやつは悪戯《いたずら》ものだな。蜃気楼《しんきろう》もこいつが
拵《こしら》えるんだから。………奥さんはまだ蜃気楼を見ないの?」
「いいえ、この....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
事になった。会場は支那の村落に多い、野天《のでん》の戯台《ぎだい》を応用した、急
拵《きゅうごしらえ》の舞台の前に、天幕《テント》を張り渡したに過ぎなかった。が、....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
なのです。
御部屋は竹縁《ちくえん》をめぐらせた、僧庵《そうあん》とも云いたい
拵《こしら》えです。縁先に垂れた簾《すだれ》の外には、前栽《せんざい》の竹《たか....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
》に来たことは耳にしていた。のみならず家附《いえつき》の細君は去年の夏とかに男を
拵《こしら》えて家出したことも耳にしていた。
「魚《さかな》のこともHさんはわた....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
ぐり合った。「いじめっ子」は杉浦誉四郎である。これは僕の隣席にいたから何か口実を
拵えてはたびたび僕をつねったりした。おまけに杉浦の家の前を通ると狼に似た犬をけし....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
い。大抵は五厘か寛永通宝である。その又穴銭の中の文銭を集め、所謂「文銭の指環」を
拵えたのも何年前の流行であろう。僕等は拝殿の前へ立ち止まり、ちょっと帽をとってお....