拵え事[語句情報] » 拵え事

「拵え事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

拵え事の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
た。なるほど、自分の兄は貧乏している、自分も貧乏のなかで育った。しかしいい加減の拵え事をして主人の金を掠めようなどという、そんなさもしい怖ろしい心は微塵《みじん....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
の宴《うたげ》にも、自分は彼と玉藻との密会を遠目に見ている。今更そんなあさはかな拵え事で、自分を欺くことはできまいと又あざ笑った。 「就《つ》いては、少将実雅が....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あの地蔵は自分の家で新らしく作ったもので、墓地の土中から掘り出したなどというのは拵え事である。自分の口からその秘密を洩らせば、世間の信仰が一時にすたるばかりか、....
霜凍る宵」より 著者:近松秋江
で屋形と捫着を惹き起しているようなことをいって手紙をよこしていながら、それは皆な拵え事で真相は三野村のことが原因だったのですな……どうも、そうでしょう。私はあん....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
國「アラ彼奴はマア憎い奴で、御主人様のお金を百両盗みました位の者ですから、どんな拵え事をしたか知れません、あんな者の云う事をあなた取上げてはいけません、何うして....
五ヵ年計画とソヴェトの芸術」より 著者:宮本百合子
を狩立てずに、馬の尻尾へ富農を結びつけたのも不自然だと主張している。 「こりゃ、拵え事だ。作者はきっと富農《クラーク》を皮肉ってやりたかったんだべえが、うまく行....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
人はかねて濠州へ行きたい希望があったので、それをゆうべの事件に結び付けて、こんな拵え事をしたのではないかとも疑われるが、私はそれについてなんにも言わない。むしろ....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
れず売ってしまって、小遣にでも仕ようと云う了簡で遣った所、露顕するのを恐れ、旨く拵え事をして圓次どんの所へ荷を返したんだろう、それを馬が動かないなんぞとずう/\....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
目。しかし、それは浪人達が好い加減の出鱈目で、つまりは無銭宿泊の口実に、何か彼か拵え事を云うのであろうとも思ったが、一体それはどういう訳か、後日の為にそれだけで....
私本太平記」より 著者:吉川英治
彼はよく人にもいうように「子などはないがいい」主義であり、結婚なども「つまらない拵え事」と見、家のうちに多くの子孫をかかえて、その子孫繁栄のために、あくせくして....