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拾い物
「拾い物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
拾い物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
のありさまではとても言い出せないと彼は諦めていると、その銀が偶然手に入って、彼は
拾い物をしたように嬉しかった。 屋敷の用人から二歩借りて、袷や冬物の質請けをし....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
のために搬び去られたものとばかり思っていた水戸は非常に意外にも感じ、そして大きな
拾い物をしたことを悦んだ、だが博士はぐったりしている。気をうしなっているのか、そ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
っぱり無駄足にはならねえで、なんの苦もなしに突き当ててしまったんだ。考えてみれば
拾い物よ。そのお蝶とかいう娘が、どこかでおふくろにはぐれてしまって、うす暗い処を....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
け合って帰った。雨はひと晩降りつづけて、明くる朝はうららかに晴れた。 「こりゃあ
拾い物だ」と、半七は窓から表の往来をながめた。気の早い彼岸《ひがん》桜はもう咲き....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
西洋馬と知らずに牽き去るはずがないと、彼は思った。 なにか手がかりになるような
拾い物はないかと、一応はそこらを見まわしたが、何分にも草深いので探すことは出来な....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ながら湯本に隠れていたんだそうです。これはわたくしの手柄でもなんでもない、不意の
拾い物でした。江戸へ帰ってから、小森市之助という侍はわたくしのところへ礼ながら尋....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たのを覚って、どこへか高飛びをする積りであるらしい。飛んだところで思いも寄らない
拾い物をしたのを喜んだ手先どもは、すぐにばらばらと駈けて行って、彼のうつむいてい....
「三十年後の東京」より 著者:海野十三
外に何も手を加えてはならない。昭和二十二年八月十三日 * たいへんな
拾い物だ。この球の中には、少年が冷凍されているのだ。二十年たったら、ふたたび世の....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
今日は氷ノ山に道があったため楽に午後四時頃秋岡という村の宿へ着くことができたのは
拾い物であった。 二十九日、午前六時頃宿を出発し兵庫高瀬川を二十町くらい遡って....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
外に何も手を加えてはならない。昭和二十二年八月十三日 * たいへんな
拾い物だ。この球の中には、少年が冷凍されているのだ。二十年たったら、ふたたび世の....
「火星兵団」より 著者:海野十三
ま死ぬ心配はない」
課長はそこでちょっと口を切って、
「第二の収穫は、こういう
拾い物だ」
と言って、鞄の中に手を入れて、やがて机の上に放り出したものをみれば....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
昼食の代りにふかし芋を貰ってきた。それを喰べ終ると、二間ほどある縄切れを持って、
拾い物に出かけた。 欲しいものは、なるべく大きな板切れと、なるべく広い布であっ....
「一本のわら」より 著者:楠山正雄
れもないのです。」 といって、家まであずけて立って行きました。 若者はとんだ
拾い物をしたと思って、いわれるままにその家に住みました。たった一人の暮らしですか....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
で、丁寧にそれを懐ろ紙につつんで懐中した。彼は風雨の夜をあるいて、思いもよらない
拾い物をしたのであった。 無事に御徒町の家へ帰って、伊四郎は濡れた着物をぬぐ間....
「兜」より 著者:岡本綺堂
拾って来たのか、自分にもわからない。」 かれは正直にこう言ったが、落武者の身で
拾い物をして来たなどとあっては、いかにも卑しい浅ましい料簡のように思われて、この....