» 拾い読み

「拾い読み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

拾い読みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
本所両国」より 著者:芥川竜之介
何よりも先に「お竹倉」だったであろう。僕は中学を卒業する前に英訳の「猟人日記」を拾い読みにしながら、何度も「お竹倉」の中の景色を――「とりかぶと」の花の咲いた藪....
或る女」より 著者:有島武郎
倉地の貧しい書架の中にもあったのだ。そして葉子はおもしろく思いながらその中を時々拾い読みしていたのだった。 「なんだかわたしとはすっかり違った世界を見るようでい....
風波」より 著者:井上紅梅
十何册ほどの金聖歎の批評した三国志を持っている。坐っているときにはいつも一字々々拾い読みして、五虎将の姓名を説きあかすのみならず、黄忠の字が汗升、馬超の字が孟起....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
に尋ねて、吉弥は小学校を出たかというと、学校へはやらなかったので、わずかに新聞を拾い読みすることが出来るくらいで、役者になってもせりふの覚えが悪かろうと答える。....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
いた。したがってホントウに通して読んだのは十二、三歳からだろうがそれより以前から拾い読みにポツポツ読んでいた。十四歳から十七、八歳までの貸本屋学問に最も夢中であ....
地球要塞」より 著者:海野十三
待つことにした。そしてそのついでに、長官の机上に散らばっている書類を、片っ端から拾い読みをしていった。 その書類の多くは電報だった。 それを読むと、米連艦隊....
蠅男」より 著者:海野十三
で丸を入れてある文字を拾うてお読みやす」 「なに、この赤鉛筆で丸をつけたある字を拾い読みするのんか」 総一郎は娘にいわれたとおり、上の方から順序を追って、下の....
高原の太陽」より 著者:岡本かの子
た。かの女が夕飯を済まして、所在なさに眼のほうたいを抑え乍ら歌書や小説をばあやに拾い読みして貰っていると、庭の裏木戸がぎしいと開き、庭石に当る駒下駄の音が爽やか....
青蛙神」より 著者:岡本綺堂
すか。 高田 わたしも此頃は支那の怪談に興味を持つようになって、覚束ないながらも拾い読みをしているんですよ。日本に有り来りの怪談は、大てい支那から輸入されている....
死者の書」より 著者:折口信夫
になって居る――そうつくづく思いますじゃて。ところで近頃は、方を換えて、張文成を拾い読みすることにしました。この方が、なんぼか――。 大きに、其は、身も賛成じゃ....
青木の出京」より 著者:菊池寛
ほとんどその右の手から離したことがなかった。しかも、それを十分の休憩時間などに、拾い読みしながら、ところどころへ青い鉛筆で下線《アンダーライン》を引いていた。 ....
光は影を」より 著者:岸田国士
の各種農園の実態と、その経営の基礎となるような経済的、技術的な参考書を、ひと通り拾い読みをした。なかでも、彼の興味を最も強くひいたのは、養蜂事業であつた。養蜂に....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
までもないことと信ずる。 蔵書の中から『真澄遊覧記』を借り出して、ところどころ拾い読みした。前号資料欄に納めておいたのは、その中の一節である。 二十八日の夜....
小春」より 著者:国木田独歩
煙すら、ありありと目に浮かんで来る。そこで自分は当時の日記を出して、かしこここと拾い読みに読んではその時の風光を思い浮かべていると 『兄さんお宅ですか』と戸外か....
ポオとルヴェル」より 著者:小酒井不木
ctive Magazine とを取っていながら、一月に三篇か四篇ぐらいずつしか拾い読みが出来なくなってしまった。ことに近ごろ、下手の横好きで創作を始めたら、尚....