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拾得
「拾得〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
拾得の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
めても、うそ寒い秋の気が動いていないところはない。
馬琴の眼は、この淡彩の寒山
拾得《かんざんじっとく》に落ちると、次第にやさしい潤いを帯びて輝き出した。
「い....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
残る。そうして聴覚や視覚にあって、明瞭な把握に漏《も》れる音色や色合を体験として
拾得するのが、感覚上の趣味である。一般にいう趣味も感覚上の趣味と同様に、ものの「....
「出世」より 著者:菊池寛
思った。 が、翌日電気局へ行ってみたが、やっぱり無かった。念のために、警視庁の
拾得係へ行ってみたが、やっぱり無かった。もう盗られたのに違いなかった。困っている....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
った。 「ああ、西郷君」そう云ったのは鴨田理学士だった。「一昨日この爬虫館の前で
拾得したので僕が事務所へ届けて置いた万年筆ね、あれは先刻警官の方が調べられて、園....
「観画談」より 著者:幸田露伴
、種※小さな笠を冠って、やや仰いでいる様子は何ともいえない無邪気なもので、寒山か
拾得の叔父さんにでも当る者に無学文盲のこの男があったのではあるまいかと思われた。....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
○紛失《ふんしつ》、赤革トランク、特別美|且《かつ》大なる把柄《はへい》あり、
拾得届出者に相当謝礼、姓名在社三二五番 もう一つは、次のとおりであった。 ....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
から、警察へとどけました。 「これはわたしのうわおいぐつにそっくりだ。」と、この
拾得物をみた書記君のひとりがいって、じぶんのと並べてみました。「どうして、くつ屋....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
たのだ。間もなく座敷牢の中に入れて置かねばならなくなった。伯父さんは詩人肌の寒山
拾得のような風貌の人だったが、これも監視をつけねばならなくなった。しかし私はこの....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
て殱滅させたではないか。 但し、隊長夫妻ならびにその一子、以下白人戦死体の首の
拾得は禁ずる。 フインシャハ守備陸戦隊長ベレスフォード キューネは、眼がくらく....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
られていたのですから、同藩の医|吉木蘭斎というのが直ぐに迎えて養いました。「好い
拾得物をなされた」と、人が羨んだといいます。やがて娘に娶せましたが、幾程もなく順....
「錦紗」より 著者:犬田卯
と軽く受けた。 「そんなはずはないんですがね。」凋れるお通を見ると、それでも、「
拾得人が届けてよこしたらすぐに知らせるから。――でも、何だな、もっとよく方々さが....
「昔のことなど」より 著者:上村松園
池に行くようになって暫くしてからのことですが、ある時、尺八か尺五かの水墨の「寒山
拾得」が枠張のまま立て掛けてありました。古画のようでそれで何処となく独創的な所が....
「好色破邪顕正」より 著者:小酒井不木
の新聞紙の包みが、ちょうど、殺人事件のあった大平氏宅の前に落ちて居たのです。今朝
拾得の届出があったものですから、すぐさま手分けして市内の古本屋を調べさせると、袋....
「栖鳳先生を憶う」より 著者:上村松園
す。その時分に何だかの寄付画であったと思いますが、尺八位の絹地に栖鳳先生が〈寒山
拾得〉を描かれましたが、それを見て大そう感心しました。古画より生気溌剌として大変....
「牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
(「民族と歴史」四巻三号四号を見よ)。そしていわゆる牛馬捨場に捨てられた牛や馬を
拾得して、これを処理するの利益多き特権は、おのずからこの長吏法師等の壟断するとこ....