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持たせる
「持たせる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
持たせるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
じんばおり》とか、出陣の支度《したく》に入用《にゅうよう》のものは云うなり次第に
持たせることにした。のみならず途中の兵糧《ひょうろう》には、これも桃太郎の註文《....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
ったよといえば、すぐ右に直すけれど、少しするとまた左に持つ。しばしば注意して右に
持たせるくらいであるから、飯も盛んにこぼす。奈々子は一年十か月なれど、箸持つ手は....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
殊構造には興味を感じるだろう」 「全く、大いに感じる。第一、そういう凄い耐圧力を
持たせるには普通の鋼材では駄目だね。何という材料かなあ」 「そのことは雑誌に少し....
「人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
び》、ハンマーを握らせ、配電盤《スイッチ・ボード》の前に立たせ、試験管と薬品とを
持たせるならば、彼等の度胆《どぎも》を奪うことなどは何でもない。彼等を征服するに....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
ある。 ○俳優は実生活では軽い化粧カバンさえ持つのをいやがって弟子と称するものに
持たせるくせに演技中には絶えず何かを持ちたがる。 しかし彼らの望みに任せてむや....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
嫌を直したいとばかりいってます」 「ねいおッ母さん、小手の家では必ず省作に身上を
持たせるといってるそうだから、ここは早く綺麗に向うへくれるのさ。おッ母さんには御....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
きかせることに決心いたしました。この為めに私は真黒な羅紗紙を小さい乍らも鋭い角を
持たせるように切りぬきまして、其の上に新聞紙から「呪」という字を苦心の末、やっと....
「三の字旅行会」より 著者:大阪圭吉
でもその婦人客達には、一人の人の好さそうな男が出迎えに出ていて、その出迎えの男に
持たせる手荷物には、きまって、赤インキで筆太に、三の字を書いた、小さな洒落れた荷....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
を誘致《ゆうち》し来《きた》って、それによる引力を、万有引力以上に効《き》き目を
持たせること。それから第四に、アインシュタインの設定した万有引力テンソルを……」....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
けんばかりに痛んだ。師サミユル博士に報恩し、『宇宙の女王』号の乗組員たちに希望を
持たせることにはなったが、しかしこの燃料運搬がおわるまでに、はたしてこのガンマ星....
「転機」より 著者:伊藤野枝
ければならないことなのだった。 私に、特にそうした、はっきりした根のある夢想を
持たせるように導いたのは、山岡が二三年前に創めた「K」雑誌であった。私は何にも知....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
の目白だの、それからお邸のかなりやの姫様なんぞが、皆で、からかいに行っては、花を
持たせる、手拭を被せる、水鉄砲を浴せるという、好きな玩弄物にして、そのかわり何で....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
たせて、手拭を持たせて、錫の箱入の薫の高いしゃぼんも持たせて、紫のゴロの垢すりも
持たせる処だった。が、奴は陰でなく面と向って、舌を出したから、それには及ばず。 ....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
に晴れて来て、ジリジリと背を照らす日は暑い。汗で身体は濡れる。外套を取って人夫に
持たせる。上衣を脱いで自分で持つ。峠の曲り角では必ず休む。 かなり高く登った。....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
、背中で倚り掛かる所にも、脚の所にも白い革紐が垂れていなくって、金属で拵えた首を
持たせる物がなくって、乳色の下鋪の上に固定してある硝子製の脚の尖がなかったなら、....