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持ち逃げ
「持ち逃げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
持ち逃げの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ひと纏めにして、彼がみな預かっているのである。私が病人であるのを幸いに、夜なかに
持ち逃げでもされては大変である。九度以上の熱があろうが、苦しかろうが、今夜は迂濶....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
類なんですね」 「しかし今までは、相手を玄関に待たせて置いて、その品物を裏門から
持ち逃げしたり、相手がなかなか油断しないとみると、奥へ通して腕ずくで脅迫したりし....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
なりますから、何事も泣き寝入りにして、闇から闇へ葬るのほかはない。それを承知で、
持ち逃げをした奴もあるわけです。昔はそういうたぐいの秘密がいろいろありました。い....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
り合いの手先に頼んで内々で探索することになった。去年の暮れ、丸多の手代が懸け金の
持ち逃げをした時に、手先の亀吉が調べに来て、与兵衛や幸八らとも顔馴染になっている....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
武助を途中で撒《ま》いて、どこへか逃げてしまいました。勿論、例の五百両は郡兵衛が
持ち逃げをしたわけです。 これには武助もおどろいたが、表向きに訴えることも出来....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
》と同じことかな」と、半七はほほえんだ。「そこで、その脇指はどうなったね。伝蔵が
持ち逃げかえ」 「いえ、庭さきに捨ててありました」と、鶴吉は云った。「お屋敷の後....
「一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
た鉱夫が逃げられるじゃありませんか」 「そこなんだ。宝石が、たまたま出るとそれを
持ち逃げして追手を避け避け、外国船に売り込む……。いや、あれがそうだとは、必ずし....
「世相」より 著者:織田作之助
ろうかと言うことだった。私はすぐ承知したが、それから二月たたぬ内に横堀は店の金を
持ち逃げした。孤独の寂しさを慰めるために新世界とはつい鼻の先にある飛田遊廓の女に....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
、財宝を隠匿したが……」 「その時私は、勘兵衛お頭の依頼により、素早く天国の剣を
持ち逃げして、林の中へ隠れましてございます」 「財宝を隠匿したが、その時突然勘兵....
「国境」より 著者:黒島伝治
靴も、夏の帽子も何一つ残っていなかった。 「くそッ! 畜生! 百円がところ品物を
持ち逃げしやがった!」おやじは口をとがらしていた。 呉清輝と田川とはおやじが扉....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
人は、もと愧樹の兵営に居った山東兵の中士だそうだよ。そいつが四人分の弾丸や鉄砲を
持ち逃げして土匪の仲間入りをしていたのを捕まえて来たんだって。」 「愉快ね、軍曹....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
絵などほしいとも思わない金持ちの応接室へ無理矢理に捻じ込むものがあったり、作品を
持ち逃げしたりする高砂屋もあるらしい。 とかく色男には金と力が不足していると古....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
絵などほしいとも思わない金持ちの応接室へ無理矢理に捻じ込むものがあったり、作品を
持ち逃げしたりする高砂屋もあるらしい。 とかく色男には金と力が不足していると古....
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
」 「へえ! それはまた珍しい名前ですな! で、その鼻氏とやらは、よほどの大金を
持ち逃げしたんですか?」 「いや、鼻というのは、つまり……誤解されては困りますよ....
「行雲流水」より 著者:坂口安吾
った。彼はソノ子をつれて三週間の出張旅行を共にしたが、出張とはデタラメで、公金を
持ち逃げして、盲滅法逃げまわっていたのである。つまり吾吉と同じ境地であった。 ....