持って来い[語句情報] » 持って来い

「持って来い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

持って来いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
川保吉は註文を受けた葬儀社である。何月何日の何時までに竜燈《りゅうとう》や造花を持って来いと云われた精神生活上の葬儀社である。――保吉はバットを啣《くわ》えたま....
」より 著者:芥川竜之介
悪い所じゃないぜ。第一社宅は大きいし、庭も相当に広いしするから、草花なぞ作るには持って来いだ。何でも元は雍家花園《ようかかえん》とか云ってね、――」 男は突....
報恩記」より 著者:芥川竜之介
った通り、夜《よ》は深いし風も出ている、――わたしの商売にとりかかるのには、万事持って来いの寸法《すんぽう》です。わたしは路ばたの天水桶《てんすいおけ》の後《う....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
からやっと長椅子《ながいす》へかけると、あっけにとられた細君に細引《ほそびき》を持って来いと命令した。常子は勿論夫の容子《ようす》に大事件の起ったことを想像した....
或る女」より 著者:有島武郎
と顎《あご》を突き出して相図した。そして激しく手を鳴らした。 「コップと炭酸水を持って来い」 用を聞きに来た女中にこういいつけておいて、激しく葉子をまともに見....
高野聖」より 著者:泉鏡花
こと》に崖を、上の方へ、いい塩梅《あんばい》に蜿《うね》った様子が、とんだものに持って来いなり、およそこのくらいな胴中《どうなか》の長虫がと思うと、頭と尾を草に....
婦系図」より 著者:泉鏡花
だって廉くはない。」 三十 亭主は膝を抱いて反身になり、禅の問答持って来い、という高慢な顔色で。 「半|価値は酷うげす。植木屋だと、じゃあ鉢は要....
聖書」より 著者:生田春月
徴詩を弁護しようなんて滑稽じゃありませんか。象徴詩なんて、要するに空虚な詩工には持って来いの隠れ場で、彼等はその中で文字の軽業をやってるだけです」 僕は口がだ....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
を五十三に割って双六の目に合せて、一人ずつ身体を進めるが可かろう。……賽が要る、持って来い。 (侍女六七、うつむいてともに微笑す)――どうした。 侍女六 姿見を....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
せると、脊は高し、幅はあり、風采堂々たるものですから、まやかし病院の代診なぞには持って来いで、あちこち雇われもしたそうですが、脉を引く前に、顔の真中を見るのだか....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
て見や。喜野、ソレお急ぎじゃ、廊下走って、電話へ掛れや。」 九 「持って来い、さあ、何んだ風車。」 急に勢の可い声を出した、饂飩屋に飲む博多節の....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
寂寞しいほど燈の興は湧いて、血気の連中、借銭ばかりにして女房なし、河豚も鉄砲も、持って来い。……勢はさりながら、もの凄いくらい庭の雨戸を圧して、ばさばさ鉢前の南....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、筆、ペンなどでは追っつきそうに思われぬ。彫るにも刻むにも、鋤と鍬だ。 さあ、持って来い、鋤と鍬だ。 これだと、勢い汗|膏の力作とかいう事にもなって、外聞が....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
ぶんなら、夜具の襟を被っても、成るべくは、蛍、萱草、行抜けに見たい了簡。それには持って来いの診察室。装飾の整ったものではないが、張詰めた板敷に、どうにか足袋|跣....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
抜裏の路地になって合角に格子戸|造の仕舞家が一軒。 江崎とみ、と女名前、何でも持って来いという意気|造だけれども、この門札は、さる類の者の看板ではない、とみと....