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「持って生まれた〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

持って生まれたの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
いったが、それでも苦しい目にあう事は、以前と少しも変わりがない。白痴に近い天性を持って生まれた彼女にも、苦しみを、苦しみとして感じる心はある。阿濃《あこぎ》は猪....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
したが、今度の犬には死別《しにわか》れをした。所詮《しょせん》犬は飼えないのが、持って生まれた因縁《いんねん》かも知れない。――そんな事がただ彼女の心へ、絶望的....
「夢」より 著者:芥川竜之介
った。のみならず彼女の言葉は勿論、彼女の声もまた一本調子だった。それはわたしには持って生まれた彼女の気質としか思われなかった。わたしはそこに気安さを感じ、時々彼....
「片信」より 著者:有島武郎
に兄にいっておいたことを、このごろになってやっと実行しようというのだ。自分ながら持って生まれた怯懦《きょうだ》と牛のような鈍重さとにあきれずにはいられない。けれ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
、私は一つの力強い小品を作り上げる事ができると思う。 しかし親思いで素直な心を持って生まれた君は、君を迎え入れようとする生活からのがれ出る事をしなかったのだ。....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
。この重い重い責任を思うと五体もすくむような心持ちがする。しかるにもかかわらず、持って生まれた趣味性の嗜好は、君も知るごとく僕にはどうしても無趣味な居住はできな....
「金属人間」より 著者:海野十三
して、 「そこでこの標本をごらんになればわかるでしょうが、この動物たちは、自分が持って生まれた脳髄《のうずい》を持っていないのです。そうでしょう。みんな頭部を斬....
「超人間Ｘ号」より 著者:海野十三
の命も、これでもうおしまいだぞ」 「何を世まよいごとをぬかす。わしは無限の生命を持って生まれた。火でも水でも電気でも、わしを殺すわけにはいかないのだぞ」 「その....
「火星兵団」より 著者:海野十三
の不思議な話は続く。 「ほう、ずいぶん残酷な話ですね」 「残酷は、元来、火星人の持って生まれた悪い性質なのだ。わしは、女王ラーラとその子供たちが死ぬところを見た....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
者にして、どうもも一つ素晴らしく大成しないものがある。私はそれらの顔に、すなわち持って生まれた素顔の構成上、致命的な鼻の低さ小ささ等を発見して、気の毒に思うこと....
「転機」より 著者:伊藤野枝
私はそれだからなおさら無知な人達が可愛想でならない。気の毒でならない。人間として持って生まれた生きる権利に何の差別があろう？ だのに、なぜ、ただ無知だからといっ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
りで坐りながら、自分の不運な生涯を考えていた。そうして、自分のこうした逆境もみな持って生まれた運命であると諦めなければならないと、自分で自分に言い聞かせていた。....
「女難」より 著者:国木田独歩
ます。 けれども私は東京に出てから十年の間、いろいろな苦労をしたに似ず、やはり持って生まれた性質と見えまして、烈しいこともできず、烈しい言葉すらあまり使わず、....
「日本料理の基礎観念」より 著者:北大路魯山人
うりならきゅうり、そらまめならそらまめに、それぞれの持ち味があるのですから、その持って生まれた味を殺さないように工夫しなければなりません。小芋の味ひとつにしたっ....
「料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
が、生活の根源である食物は、栄養知識の活用がなくてはならない。もっとも、その人の持って生まれた体質によって異なる如く、また、その人の従事している仕事によっても、....