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持上げる
「持上げる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
持上げるの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「行人」より 著者:夏目漱石
大きな銅の金盥《かなだらい》を見つめた。この金盥は直径二尺以上もあって自分の力で
持上げるのも困難なくらい、重くてかつ大きなものであった。自分は子供の時分からこの....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
どうしたらいいのか。何を慎んだらいいのか。 左手を使って高いところへ重いものを
持上げることが悪いのは、よく分っている。こんなことは殆んどしない。 なるべく左....
「乳房」より 著者:宮本百合子
同盟という意味なのであった。 「ふーん」 今度はタミノが顔をあげた。眉根をキと
持上げるような眼でひろ子を見て、何か云いかけたが、そのまま黙って針を動かしつづけ....
「一つの出来事」より 著者:宮本百合子
った机の上の様子が電光のように通り過ぎた。いつの間にか唇を噛んで下を向ていた頭を
持上げると、私は大急ぎで戸外にいる彼のところまで出かけて行った。 「グランパ、私....
「火星兵団」より 著者:海野十三
げていたその首があらわれたのであった。
何をするのか怪人!
彼は、自分の首を
持上げると、とつぜん自分の胴にすえた。――これで、今まで首のない怪人に、はじめて....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
見るもの、聞くものが浅ましかったのか。七兵衛の胸に折々、里心《さとごころ》が首を
持上げるのは、今にはじまったことではないが、この時は、特に何かの感じが激しくこみ....
「アリゾナの女虎」より 著者:牧逸馬
う鍵を発見した。最初それで、大きい方の鍵前を辷らして、逡巡《ためらい》勝ちに蓋を
持上げると、思わず彼等は、一歩蹣跚き退った。瞬時の恐怖は、この、凡ゆる異常時に慣....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
したが、打外した。 蔵人は咄嗟に躱して、横なぐれに退ったが、脚を揃えて、背中を
持上げるとはたと婆に突かけた。 「火事だ、」 また喚いて件の薪雑棒を振廻す、形....
「三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
なことが……」 「頭をちょっと持っていてくれ」 私はそう云いながら、胴体の方を
持上げるようにし、西谷には首を持って貰って、その折口を合わして見ようとしたのであ....