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持仏堂
「持仏堂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
持仏堂の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一緒に歩く亡霊」より 著者:田中貢太郎
く年が明けて正月の元日が来た。甚六の家では屠蘇を汲み雑煮を祝おうとしたところで、
持仏堂の中が怪しい音を立てて鳴りだした。甚六と甚六の女房は驚いてそのほうへ顔をや....
「四谷怪談」より 著者:田中貢太郎
にいて、隣の部屋から喜兵衛とお岩の話を聞いていたのであった。 朝になってお岩は
持仏堂の前に坐ってお題目を唱えていた。お岩の家は日蓮宗であった。そこへ伊右衛門が....
「錦木」より 著者:宮本百合子
りは仏にもねがって見ようと存じまして」 殊勝げなかおをして人に通じれば、すぐに
持仏堂、経をよみながら胸の中では引出ものの胸算よう、思わず気をとられて経文を一回....
「夜長姫と耳男」より 著者:坂口安吾
。 「このヒメの今生後生をまもりたもう尊いホトケの御姿を刻んでもらいたいものだ。
持仏堂におさめて、ヒメが朝夕拝むものだが、ミホトケの御姿と、それをおさめるズシが....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
まじりてほの聞ゆるなど、かのくえんしの建立《こんりゅう》ありし姫宮《ひめみや》の
持仏堂《じぶつどう》も思ひ出られて哀れなり。されば朝市のふるものあつかひよと人い....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
は洛外に出してはならぬとお禁じになった。基衡非常にこれを憂い、七日間水漿を断って
持仏堂に閉じ籠り、一心に仏に祈請を凝らしたうえ、九条関白に運動してもらってついに....
「法然行伝」より 著者:中里介山
がらも、尋ねて見るのも億劫《おっくう》でその日は帰り、その後また訪ねた時に法然は
持仏堂にいて四郎は大床に伺候して云うことに、 「どうもやつがれのような無縁の者は....
「無月物語」より 著者:久生十蘭
泰文は東山の八坂の中腹に三昧堂のようなものを建てた。有名な無信心者がどういう気で
持仏堂など建てたのか。招かれたある男が可笑がって笑うと、泰文は堂の縁端まで連れて....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
てもなお、陽に会わないでいるせいか、梨の花のように白い愁いを顔に湛えている。 「
持仏堂でございます」 「お。またそれへ」 「御用ですか」 「兵庫さまが、ちょっと....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
あげるがいい」 父子は連れだって、さらに館の奥の、孤立した一殿へ入って行った。
持仏堂だろうか、一僧が出て来て手をつかえ、 「さいぜんから、お待ちでおられまする....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
のお手紙を、おたのみしたいと言っておりました。もすこしここでお待ちくださいまし。
持仏堂で朝のおつとめをしておりますから」 「それや、ちょうどよい。藤夜叉さまには....