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「持参金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

持参金の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:ゴーゴリニコライ
である。コワリョーフ少佐には結婚する意志がない訳ではなかったが、但しそれは花嫁に持参金が十二万もついている場合に限られていた。されば今や読者には、かなり立派で尋....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
いりましたゆえ、つい欲にくらみまして、そんなにだれもかれも養子になりたいならば、持参金の多い者をいただきましょうと、われながら情けないことを一同に言い渡したので....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ろう。」 主税は黙って、茶を注いだが、強いて落着いた容子に見えた。 「何かね、持参金でも望みなのかね。」 「馬鹿を謂いたまえ。妹たちを縁附けるに、こちらから持....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
事も無く、殊に又之を殺せば日頃憎しと思う藻西は死し老人の身代は我愛する美人倉子の持参金と為りて我が掌底に落がり込む訳なれば承知したるも無理ならず。 個は余と目....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あしかけ三年むつまじく連れ添っていた。かれは武州|熊谷在の豪農の二番娘で、千両の持参金をかかえて来たという噂であった。 加賀屋の店も相当の身代であるから、別に....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
財産も家も皆なくなってしまってね、仕方が無い時にその養子を貰ったんだッて。」 「持参金かね。」 「ええ、大分の高だというよ。初ッからお雪さんは嫌っていた男だって....
獄中消息」より 著者:大杉栄
ず目星しきものは昨日話した通りだ。 もし母が出るとすれば、あの中の保険金は母の持参金としてもどさねばならぬ。その上、母の将来の生活の幾分かの保証として、多少こ....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
は別に、あなた自身から衣子夫人に申入れをなさい。そして、美代子さんをお嫁に貰う、持参金などビタ一文いりません、という赤誠がありゃ、奥さんも令嬢も、内々はその気持....
光は影を」より 著者:岸田国士
まず彼の眼を惹いた。 「それ、あるひとが持つて来たの。お家はちやんとしたお家で、持参金づきなんだつて……。今年、満で二十四だつていうけど、老けてみえるね」 「ち....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
べきの時機なりしに、然るにその決断ここに出でず、あたかも主家を解散したるその功を持参金にして、新政府に嫁し、維新功臣の末班に列して爵位の高きに居り、俸禄の豊なる....
隠亡堀」より 著者:国枝史郎
っ切って了った」 伊右衛門は斯う云うと苦笑した。 「お梅は何うでも可かったが、持参金だけは欲しかった。伊藤の家庭と来たひにゃあ、時々蔵から小判を出して、錆を落....
黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
でいれば店を閉めるより他はないので、お常は一人娘のお熊が優れて美しいのを幸いに、持参金附の婿を探して身代の破綻を縫おうとした。数の多い候補者の中でお常の眼識に叶....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
いずれも結びつくべき因縁があって、結びついたものであります。 結婚するに際して持参金目当てとか、家門のため、子孫繁栄のため、生活能率増進のため、放蕩防止のため....
俗臭」より 著者:織田作之助
たのだ。お春の話を聞いた時、人々は即座に、某伯爵家はいわゆる貧乏華族で、千満子の持参金は五万円乃至十万円だと、決めてしまった。また、この縁談は成立しないだろうと....
旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
とか、エタに井戸を掘らせたとか、三好長春がエタの子を小姓に召し抱えたとか、武士が持参金付のエタの娘を息子の嫁に取ったとかいう例証の、甚だ少からぬことによっても知....