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持場
「持場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
持場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
の樹(有島家)にも一群巣を食っているのであるが、その組は私の内へは来ないらしい、
持場が違うと見える)――時に、女中がいけぞんざいに、取込む時|引外したままの掛棹....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
も眩むほど不快の気持に堪えて歩いて行くと、やがて二つの感情はどうやら、おのおのの
持場持場に納まり、沖の遠鳴りのような、ただうら悲しい、なつかしい遣瀬なさが、再び....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
がら、彼は寝乱れた労働者の間を縫って、オデッサ丸の船階子を上って行った。 私も
持場について午後の労働を始めた。最も頭脳を用うる余地のない、而して最も肉体を苦し....
「火星探険」より 著者:海野十三
ー博士のところで雑用をすることに決った。そこで四少年は、 「それじゃ、めいめいの
持場で、しっかり役に立とうね。しっけい」 と挨拶して、たがいに一時別れたのであ....
「怪塔王」より 著者:海野十三
怪塔王は、さらに声をはげまして、 「こらっ、さあさあ何をしている。お前たち、早く
持場につかんか。さあ出発だぞ」 3 怪塔王が、いつもの調子でぽんぽん....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
て、艇長室を出ていった。急に時化模様となったので、他の艇員たちも、それぞれ自分の
持場へ帰っていって、艇長室には、ダン艇長一人となった。 彼は心配そうに、窓の外....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
すよ。フイリッピン人で、カラモという男です。なかなかよく働きます。三人分ぐらいの
持場を、彼一人でひきうけていますが、少しもまちがわないです。こういう事故が起った....
「売春婦リゼット」より 著者:岡本かの子
アッソニエの通りだけが彼女に許された猟区だった。その中でもキャフェ――Rが彼女の
持場だった。この店へは比較的英米客が寄り付くので献立表にもクラブ・サンドウィッチ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
商人が、因縁は知らずここへ茣蓙を広げたらしい。もっとも総曲輪一円は、露店も各自に
持場が極って、駈出しには割込めないから、この空地へ持って来たに違いない。それにし....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
在々浪人体ノモノ多ク徘徊イタシ、頭分、師匠分抔ト唱、廻場、留場ト号シ、銘々、私ニ
持場ヲ定、百姓家ヘ参リ合力ヲ乞』というように、合力を乞う持ち場をさえ、定めるよう....
「鷲」より 著者:岡本綺堂
その本陣の詰所を土地の庄屋または大百姓の家に置き、当番の組々がひそかにめいめいの
持場を固めることになっていた。官命とはいいながら、何分にも殺生の仕事であるから、....
「取舵」より 著者:泉鏡花
五百|石積を家として、荒海を漕廻していた曲者なのだ。新潟から直江津ね、佐渡|辺は
持場であッたそうだ。中年から風眼を病らッて、盲れたんだそうだが、別に貧乏というほ....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
竹簀を抱えて来た。工手がすぐにコテを取って鉄扉の隙間を塗込めはじめた。 ほかの
持場の小頭達が、急を知った坑内係長と一緒にその場へ駈けつけて来ると、技師と監督は....
「審判」より 著者:カフカフランツ
ると引きまわし、扉の前のほかの子たちのところへ置いた。子供たちは、画家がそうして
持場を離れているあいだ、それでも敷居を越してやろうとはしなかった。Kはこういう有....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
は長い櫂を蜈蚣見たいにそろえた細長の独木舟が幾隻か波に揺られて、早くも飛び込むと
持場持場を固めるオロチョンギリヤークの青年たちも勇ましかった。彼らは鼠色の軽装に....