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持家
「持家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
持家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
》の電鈴《ベル》に手が届かないくらいの一構《ひとかまえ》であった。もとから自分の
持家《もちいえ》だったのを、一時親類の某《なにがし》に貸したなり久しく過ぎたとこ....
「青服の男」より 著者:甲賀三郎
小浜信造。ハヽア、アパートなんかにおる所を見ると、未だ独り者らしいな。仮令自分の
持家にもせよ、締りを破って這入って、たった一人で死んでるという事になると、一応駐....
「縮図」より 著者:徳田秋声
渡弁護士は倉持には父方の叔父であり、後見人でもあった。倉持は幼い時に父に訣れ、倉
持家にふさわしい出の母の手一つに育てられて来たものだったが、法律家の渡弁護士が自....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
半分焼けたので銀座に似た煉瓦建《れんがだて》になった。その幾軒かはテンコツさんの
持家であった。住居も紳士風にした。石のような羊羹《ようかん》を紙に包んでくれなく....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
、暫く借宅をせねばならぬ。私どもは城下はずれの味酒《みさけ》村の味酒神社の神主の
持家を借りた。周囲は田畠で、少しの庭もあったが、全くの田舎住居で、私は道中で始め....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
賃と同額になる。いずれにしても家賃だけのものは要るのであるから、私は借家であると
持家であるとによらず、商店経営の中のかなり重要な部分を占めるこの費目を等しく家賃....
「犬を連れた奥さん」より 著者:神西清
識を与えてくれた。曰く、フォン・ヂーデリッツはスタロ・ゴンチャールナヤ街の自分の
持家に住んでいること、曰く、それはホテルから遠くないこと、曰く、なかなか羽振りの....
「イオーヌィチ」より 著者:神西清
る家庭として挙げるのであった。 この一家は大通りの知事の邸のすぐそばに、自分の
持家を構えて住んでいた。主人のトゥールキンは、名をイヴァン・ペトローヴィチといっ....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
の父と母が死に、なにかゴタゴタがあって離婚した叔母が、東京から移ってきて、自分の
持家のような顔で居すわってしまった。 サト子は、めくらのように両手を前に突きだ....
「肌色の月」より 著者:久生十蘭
別荘というにしては、すこし淋しすぎるようね」 「あれはリットンというイギリス人の
持家で、冬になると、そこらじゅうの西洋人が駕籠に乗ってやってきて、広間で夜明しの....
「回想録」より 著者:高村光太郎
非常に落胆して悲しみ、その家に居るのにさえ堪えられなくなった。偶々林町に知り人の
持家があって、ここに越して来たのである。秋だったから団子坂には菊人形があり、その....
「世界の裏」より 著者:国枝史郎
ペトログラード)の大都会に降っていた。 この頃、露国の名門、ユウソムポフ公爵の
持家の一つに、その一階の居間に、四人の男女がいた。公爵その人と、ドミトリー大公と....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
き払って、この二番町の横町に新らしい家を見出したのであった。そこは上野という人の
持家であって、その頃四十位の一人の未亡人が若い娘さんと共に裏座敷を人に貸して素人....
「早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
た息子が、相当の年齢《とし》になっていたので、これに家督《かとく》を譲って自分は
持家の長屋の一軒へ、差配として移ったのだった。こうして男盛りを何もしないでぶらぶ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
または扶養を要求するほど切迫しているとは岡目には見えなかった。左に右く土蔵附きの
持家に住っていた。シカモ余り広くはなかったが、木口を選んだシッカリした普請で、家....