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「持方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

持方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
のを瞻《みつ》める、その瞳《ひとみ》を動かすさえ、おっくうらしい、気の抜けた身の持方。裾短《すそみじ》かで袖《そで》は肱《ひじ》より少い、糊気《のりけ》のある、....
明暗」より 著者:夏目漱石
見る必要に逼《せま》られない彼女の余裕であった。余裕というよりもむしろ放慢な心の持方であった。他《ひと》の世話を焼く時にする自分の行動は、すべて親切と好意の発現....
」より 著者:島崎藤村
記をつけた。これはそう細いという方でもないが、何処か成島柳北の感化を思わせる心の持方で、放肆な男女の臭気を嗅ぐような気のすることまで、包まず掩わずに記しつけてあ....
」より 著者:島崎藤村
これ程妻が自分を知らずにいたか、と彼は心にナサケなく思った。のみならず、全く心の持方の違った、気質も異なれば境遇も別な、こういう他人の手紙の中から、どう妻の心を....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
、十三日東京着。隔日の御番(当番)出仕で、夜半二時迄の不寝番をつとめた。毎月お扶持方として金十五円二歩を賜わった。 この時翁の師匠、喜多能静氏(喜多流十三世家....
概念と心其もの」より 著者:宮本百合子
こう云う自分の心持の変化は、今まで矢張り何かで被われていた女性全般に対する心の持方を何時とは無く変えさせて来た。 現在では女性の――生活の様式がどうしても単....
平凡」より 著者:二葉亭四迷
、しかし私も老込んだ。三十九には老込みようがチト早過ぎるという人も有ろうが、気の持方《もちかた》は年よりも老《ふ》けた方が好い。それだと無難だ。 如何《どう》....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
人の者の身上で、一羽の鳥とはいえ禽類の王者の子を手飼いにしようとは、分に過ぎた扶持方《ふちかた》だと、この時、はじめて観念せざるを得なくなったに相違ありません。....
狂人日記」より 著者:井上紅梅
旨く言い出せるかしら。兄さん、大抵初めの野蛮人は皆人を食っていた。後になると心の持方が違って来て、中には人を食わぬ者もあり、その人達は質のいい方で人間に成り変り....
流言蜚語」より 著者:寺田寅彦
れが出来たとする。そうして一人一人に授けられた缶を背負って出掛けた上で、自分の受持方面の井戸の在所を捜して歩かなければならない。井戸を見付けて、それから人の見な....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
能《よ》くその分を守りその調和を保ちて、はじめて円満なる人格を作り上げる。 心の持方は剛柔いずれとすべきか 僕は近ごろある人が僕の知人を批評するのを聞いた。そ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
かなり永いこと眼をつぶっていたが、やがて眼をひらくと言った。 「満点以上だ。心の持方としてはそれ以上の答案はあるまいね。父さんも、大たい似たようなことを考えては....
日記」より 著者:宮本百合子
て遊びに行くことは止めにした。何でもない小さい事なのである。けれども、自分の心の持方に対しては大きな試みであった。小さい気の毒や調子の悪さを超越しなければ、大き....
波の如く去来す」より 著者:小川未明
お互の努力によって歓喜の域に入ることが出来るであろう。 多くのことは、人の心の持方、人の境遇の転換によって、波の寄せるように、暗影と光明とを伴って一去一来して....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
る。六条村エタ年寄の留書にも、元禄十一年に淀城主へ、天部村お役田地並に小法師御扶持方田地を書き上げた事が見えている。 しかるに享保九年六月頃、天部村の小法師失....