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「持病〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

持病の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のです」 「主人がなぜ一緒に来ねえのだ」 「主人が一緒に来る筈でしたが、夕方から持病の疝癪《せんき》の差し込みがおこって、身動きが出来なくなりました。朝早くから....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
とを疵にして、まず仲の町張りとしてひけを取りそうもない上品な花魁であった。彼女は持病の癪にひどく苦しんだと見えて、けさ結ったばかりの立兵庫《たてひょうご》がむし....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のは自身番の親方佐兵衛であった。佐兵衛は先ず冬という敵に襲われて、先月の末頃から持病の疝気に悩まされていたが、なにぶんにも此の頃は町内が騒がしくて、毎日のように....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「母は六十で、戌年の生まれでございます」と、半七は答えた。 「ふだんから何かの御持病でもござるか」 「別にこれということもございませんが、二、三年前から折りおり....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
出るところへ、いつもの勘次が空手で来た。 「親分。申し訳がありません。富の野郎が持病の疝気で、今夜はどうしても動けねえと云うんですが……」 「それでお前ひとりで....
三人の双生児」より 著者:海野十三
を伏せて、嗚咽していた真一は、このとき俄かに身体をブルブルと震わせ始めた。それは持病の発作が急に起ってきたものらしかった。彼は苦しげに胸元を掻きむしり、畳の上を....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
つづいて漁に出ると、きょうは網に入る魚が平日の幾倍であった。漁師のうちで平生から持病のある者もみな全快した。故老の話によると、その鏡は河や湖水のうちに在って、数....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
だけでも掃きよせておこうと思って、わたしは箒を持って庭へ出ると、御新造はこの雪で持病の癪気が起ったということで、六畳の居間で炬燵にあたっていましたが、わたしの箒....
怪星ガン」より 著者:海野十三
赤くなり、また青くなった。 というのは、執事の話によると『旦那さまはこのところ持病の心臓病のためずっと家に引きこもっておられること、去る十三日も一日中ベッドの....
空気男」より 著者:海野十三
ベッドの上に引張り上げてやった。博士は間もなく、急にゴホンゴホンと咳をしだした。持病のぜんそくが起ったのである。 「は、早く早く。あの戸棚の一番下の引出しの奥の....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
うものか、嫌で、嫌で、片時も居たたまらなくッてよ。金沢へ帰りたい帰りたいで、例の持病で、気が滅入っちゃあ泣いてばかり。 旦那が学校から帰って来ても、出迎もせず....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
立すくみになりて、楽屋に舁かれて来ぬ。 しからざりし以前より、渠はこの僂麻質の持病に悩みて、仮初なる俥の上下にも、小幾、重子など、肩貸し、腰を抱きなどせしなり....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
半月と、一月、ずッと御逗留の事も毎度ありましたが、その御逗留中というと、小一の、持病の坐睡がまた激しく起ります。」 「ふ――」 と云って、欣七郎はお桂ちゃんの....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
夫人は言った。 そうして、彼女は時どきに眼をこすりながら言った。「あなたは私が持病の発作のために、どんなにひどく体をこわしているかをご存じないでしょう」 「い....
蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
へその実否をただしに行くことになりまして、慌てて着物を着かえているうちに、俄かに持病が起りました。 母の持病は癪でございます。この頃の暑さで幾らか弱っていたと....