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持腐れ
「持腐れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
持腐れの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
ものに類似品があったり、特許出願の入費がなかったりしたために、孰《どれ》もこれも
持腐れになってしまったのに落胆《がっかり》して、又渡り職人の仲間へ陥《お》ちて行....
「一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
本として売却せし数が夥しいので、残本(新本)がヨシ安いにしても、既に買入れたのが
持腐れとなって居るからである 著者は去る八月中、東京帝国大学の御用出張という格で....
「文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
に空間のできた今日であるから、嘘にもせよせっかく出来上ったものを使わないのも宝の
持腐れであるから、都合により、ぴしゃぴしゃ投出すと約百余人ちゃんと、そこに行儀よ....
「道楽と職業」より 著者:夏目漱石
どあれほどの建物を造ればその中で講演をする人をどこからか呼ばなければいわゆる宝の
持腐れになるばかりでありましょう。したがって西日がカンカン照って暑くはあるが、せ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》、てかけを置いて栄耀《えいよう》しようというわけじゃなし、これがまあ本当に宝の
持腐れというやつかも知れませんが、金というやつは皮肉なやつで、欲しくないところへ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
み次第なのに」 「洋学が出来れば金儲けは望み次第? それで駒井のいないのが、宝の
持腐れだというコケ惜しみか」 「そうよ、わたし、このごろ、つくづくそう思いますわ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
もある。 お気の毒なことには、天地間にその滑稽を見て笑い手が無い、まさに滑稽の
持腐れ。ここに出没している御当人と、その為しつつあることが、まさにその滑稽の持腐....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
ある四階建洋館の真暗な、沈黙せる建築を凝視すると、東宝の若い連中が、ここにも宝の
持腐れを抱いて平然としているその呑気さに驚くのみである。 然し、帝劇そのものは....