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持説
「持説〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
持説の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
ひ》く事だろう。こんな顔にかぎって学問はあまり出来ない者だとは、かねてより主人の
持説である。事実はそうかも知れないがちょっと見るとナポレオンのようですこぶる偉観....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
っていたが、けさは、この意見が野々宮君の意見でなくって、初手《しょて》から自分の
持説であるような気がしだした。ことに博物室が法文科と一直線に並んでいないで、少し....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
と映る現象――その事件そのものを素直に受取るより外ないね」 「ははは。そこで君の
持説“地球発狂事件”かね」 「そうなんだ。それはとにかくD十五号事件によって、あ....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
ためいささか参考の資に供せんと欲するのみ。その選出議員が実地の問題に遭いて生平の
持説に背くことなきか、選挙人たる者、沿革変遷の上より今日世に存する政論の種類を考....
「今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
四七年八月十五日に進歩党が提案した宗教情操教育に関する決議案は、田中文相の宗教護
持説をただ卑俗化したものにすぎず一般の不評を買った。吉田内閣は自分の文部省の手で....
「食糧騒動について」より 著者:与謝野晶子
でした。 しかるに計らずも、このたびの食糧騒動の促した各都市の救済行為が、私の
持説に裏書をしているように思われます。 皆さんのお見受けの通り、このたびの救済....
「岡本一平論」より 著者:岡本かの子
れ以上の厭な処を多く嘗めなければならない。」とは、女の価値をあまりみとめない氏の
持説です。 氏は近来女の中でも殊に日本の芸者|及びそうした趣味の女を嫌う様です....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
で、経費の関係で云々という条件に譲歩して、その科学者として曲げないと云われている
持説を曲げているとすれば、同じ経費経費の条件に対しては同じ無抵抗を示すということ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
と云う筈はない。アンマのウチはアンマがつぐにきまったもの、と云うのが彼の断乎たる
持説である。彼が常々その
持説を主張するから、弟子のアンマもその気になっていた。角....
「それから」より 著者:夏目漱石
考えが違って来た様だね。――けれどもその苦痛が後から薬になるんだって、もとは君の
持説じゃなかったか」 「そりゃ不見識な青年が、流俗の諺《ことわざ》に降参して、好....