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「持逃げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

持逃げの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
奉公して居りましたが、つい道楽だもんでげすから、お母が死ぬとぐれ出し、伯父の金え持逃げをしたのが始まりで、信州|小室の在に友達が行って居りますから無心を云おうと....
三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
い、武士らしく、勝負せい」 「兄上。長屋の人の騒がぬうちに」 「歌っ。おのれ金を持逃げして、全く、人ちがい――」 「父の怨み、大作殿の怨みを晴らす、弟」 二人....
壊滅の序曲」より 著者:原民喜
ないのだったが、荷を散乱した後は家のうちをきちんと片附けておく習慣だった。順一の持逃げ用のリュックサックは食糧品が詰められて、縁側の天井から吊《つる》されている....
眼を開く」より 著者:夢野久作
妻君と喧嘩別れをして、後に子供も何も無い酒飲みの忠平が、ヤケクソになって二百円を持逃げしたのではないかという疑いが掛かった。そこで警察からの命令で猟師の吉兵衛が....
継子」より 著者:夢野久作
旧悪を密告されて、網走の監獄に十五年の刑期を喰込んだ。おまけに財産の全部をお前に持逃げされてしまった』……まあ恐ろしい女ですわねえ弓子っていうのは……ねえ玲子さ....
獄中生活」より 著者:堺利彦
に移される。ここには明日自由の身となるべき窃盗氏、詐欺氏、カッパライ氏、恐喝氏、持逃げ氏などが集まって来る。いよいよ今日きりの一昼一夜を暮しかね明しかねて、様々....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
」 「なるほどだけでは張合いがございません。私もあのドサクサまぎれに店の金を少々持逃げ致しまして、ちっとばかり悪いことをやり、今ではこんな姿に落ちぶれました。旦....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
掛けておいた柳の木はそこらに見つかりませんでした。 「てっきり柳の木があの上衣を持逃げしたのだ。あれはある信者の女が、自分の手で織ってよこしたもので、極上等の織....
夏の花」より 著者:原民喜
側の暗幕を引裂いた。座蒲団《ざぶとん》も拾った。縁側の畳をはねくり返してみると、持逃げ用の雑嚢《ざつのう》が出て来た。私は吻《ほっ》としてそのカバンを肩にかけた....
原爆回想」より 著者:原民喜
浸して頭にかぶり、火炎の熱さを防ぐのに役立った。 縁側の畳をはねあげてみると、持逃げ用カバンが見つかったので私は吻とした。ふとその時私は何か幸運にでもありつい....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
呉服屋さんだったわ。とうとう店の檀那《だんな》が来て連れて行ったわ。」 「勘定の持逃げだね。」 「そうでしょう。」 「おれは大丈夫だよ。其方《そのほう》は。」と....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
い、もと居た奉公人だそうで、あの幇間が旧時あの侍の処に奉公した仲間で、それが何か持逃げをしてプイと居無くなってたのが、幇間に成って居るから、捨置かれん、何故己の....