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持運び
「持運び〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
持運びの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
この当時は、上述のように私人より願うて評定してもらったから、食物なども皆町中より
持運び、また役人たちの給仕には、皆遊女を用いたのであった。しかるに、その後ち官家....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
子やら、天幕の上げさげまで手伝うかい。 三の烏 あれほどのものを、(天幕を指す)
持運びから、始末まで、俺たちが、この黒い翼で人間の目から蔽うて手伝うとは悟り得ず....
「偶感一語」より 著者:宮本百合子
りますまいか。 こころよ、心よ……。私は、恭々しく謹んで、微弱な、唯一の燈火を
持運びます。 〔一九二一年四月〕....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
して置いては悪いが、そうかといって、呼びさませばなお始末が悪いかも知れぬ。第一、
持運びにも困難だ。
「よし、誰か取りによこそう、このままにして置け」
苦りきっ....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
する、其の中灯火がつきますと、長治が屏風を立廻し、山風で寒いからと小掻巻に夜着を
持運び、其処へ置いて台所へ下りました。 お蘭は自分で床を展べて寝ましたが、寝て....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
で話をしておりまする内に、お喜代、お美津でありましょう、二人して夜具をいそいそと
持運び、小宮山のと並べて、臥床を設けたのでありますが、客の前と気を着けましたか、....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
賊の手下となり、女でござれ金品でござれ、見付け次第に欺したり剥取ったりして親船へ
持運びして、女の好いなア頭の妾、また頭の気に入らぬ女は寄って群って勝手にした其の....
「故郷」より 著者:井上紅梅
とにしましょう」 「それがいいよ。わたしもそう思ってね。荷拵えをした時、嵩張物は
持運びに不便だから半分ばかり売ってみたがなかなかお銭にならないよ」 こんな話を....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
。 残る所は液化ガスだ。之ならばデュアー壜、俗に魔法壜というのに入れて行けば、
持運びは頗る簡単だ。そうして、之なら天井の通風孔から垂らせば、床の上に落ちて、或....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
の侵入が彼らの耕地を荒廃し、または彼らをその猟場から駆逐する時には、彼らは滅多に
持運び得る貯えを有たないのであるから、一般に極度の欠乏に陥れられる。侵略された地....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
、私や金と同じことに今ではどうか一人立ち、しかも憚りながら青っ涕垂らして弁当箱の
持運び、木片を担いでひょろひょろ帰る餓鬼のころから親方の手についていた私や仙とは....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
黙って梯子段《はしごだん》の上の板の間に置いて行く。その物音に君江は立って座敷へ
持運び、「おじさん。お肴《さかな》なら何でも御馳走しますわ。表の家が肴屋ですから....