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「持運ぶ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

持運ぶの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
三四人の若い者を指図《さしず》して、可也大きな赤松を一株《ひともと》、或得意先へ持運ぶべく根拵《ねごしら》えをしていた。 お島はおとらを客座敷の方へ案内すると....
新生」より 著者:島崎藤村
ふきだ》そうとした。節子に言わせると、彼女が仏壇を片付けに行って、勝手の方へ物を持運ぶ途中で気がついて見ると、彼女の掌《て》にはべっとり血が着いていた。それを流....
壊滅の序曲」より 著者:原民喜
り、鼠の侵害を防ぐためであった。……西崎に繩を掛けさせた荷を二人で製作所の片隅へ持運ぶと、順一は事務室で老眼鏡をかけ二三の書類を読み、それから不意と風呂場へ姿を....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
は、凡慮には及ばなかった。 お天守の杉から、再び女の声で…… 「そんな重いもの持運ぶまでもありませんわ。ぽう、ぽっぽ――あの三人は町へ遊びに出掛ける処なんです....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
みの太さといっちゃあない。――俗に、豆狸は竹の子の根に籠るの、くだ狐は竹筒の中で持運ぶのと言うんですが、燈心で釣をするような、嘘ばっかり。出も、入りも出来るもの....
黒百合」より 著者:泉鏡花
らにも好いことはないよ。こうおし、お前の処のお客は註文のあった食物をお前の処から持運ぶし、お前の処のお客はお前の店から持って行くことにして、そして一月がわりにす....
日和下駄」より 著者:永井荷風
んのように見えた。 「暑い時はこれに限る。一番凉しい。」といいながら先生は女中の持運ぶ銀の皿を私の方に押出して葉巻をすすめられた。先生は陸軍省の医務局長室で私に....