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「持駒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

持駒の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
こころ」より 著者:夏目漱石
動かすたびに、わざわざ手を掛蒲団《かけぶとん》の下から出すような事をした。時々|持駒《もちごま》を失《な》くして、次の勝負の来るまで双方とも知らずにいたりした。....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
》ッから頼りにするんじゃなかった。……当にしていたばっかりに、あっしの方はてんで持駒《もちごま》なし。……あっしのほうはどうしてくれるんです」 顎十郎は、ちょ....
勝負師」より 著者:織田作之助
れたのかと、さすがに泣けて、よっぽど将棋をやめて地道な働きを考え、せめて米一合の持駒でもつくろうとその時思ったが、けれど出来ずにやはり将棋一筋の道を香車のように....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
勘次を相手に飛車や王手と余念がなかった。 のどかな煙草の輪を吹きながら、藤吉は持駒で盤を叩いていた。 「え、こう、勘。遣ったり取ったり――節季の牡丹餅と来るかな。」....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
あちょっと合点が行かねえ。」 雨足の白い軒下をじいっと凝視《みつ》めて、藤吉は持駒で頤を撫でた。 「合点がいかねえか知らねえが、」と、盤の向う側から頭の常吉が....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
が、 「あっ」 と、出会いがしらに、たたずんでいた侍にぶつかッて、握りこぶしの持駒、金、銀、桂馬、バラリとそこへ撒いてしまった。 「や……おや」 と、あきれ....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
った。当然、彼は自分の進む“角ミチ”をまず計らねばならない。また有力な船隊をも、持駒に持つ見越しを読んでおかなければならない。 弁慶と鎌田正近に、銀桂の性能を....