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指折り
「指折り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
指折りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
。小えんは踊《おど》りも名を取っている。長唄《ながうた》も柳橋《やなぎばし》では
指折りだそうだ。そのほか発句《ほっく》も出来るというし、千蔭流《ちかげりゅう》と....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
かねえ」 治六はきれいに諦めたらしく言っていた。去年からの主人の放蕩で、佐野で
指折りの大家《たいけ》の身上《しんしょう》もしだいに痩せて来た。もっとも、これは....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
礙《むげ》の境界《きょうがい》に入っている風雅の骨髄を語っているものである。天下
指折りの大名で居ながら古油筒のおもしろみを見付けるところは嬉しい。山県含雪公は、....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
御免を蒙りましょう」 「御免を蒙る。なぜだ。可哀想にお志万は、お前の出獄するのを
指折りかぞえて待っていたんだぜ」 「それはどうも済みません、だが、兄貴の言葉にゃ....
「火星探険」より 著者:海野十三
すばらしい計画 夏休みになる日を、
指折りかぞえて待っている山木|健《けん》と河合二郎だった。 夏休みが来ると二人....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
たずに阿呆と思えるほど一途の道をこつこつ歩いて行くその生活態度によっても、大阪に
指折り数えるほどしか見当らぬ風変りな人達であるために外ならず、且つ彼等の阿呆振り....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
で、私は十四。」 お貞は今吸子に湯をばささんとして、鉄瓶に手を懸けたる、片手を
指折りて数えみつ。 「十五の違だね。もっとも晩学だとかいうので、大抵なら二十五六....
「明日」より 著者:井上紅梅
添え――泥人形一つ、小さな木碗二つ、ガラス瓶二本――枕辺に置いた。あとで王九媽が
指折り数えて一つ一つ引合せてみたが、何一つ手落ちがなかった。 この日藍皮阿五は....
「鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
とにもなった。したがってその道にかけては皆相当のおぼえがある中でも、大原右之助は
指折りの一人であった。 大原と肩をならべる水練の達者は、三上治太郎、福井文吾の....
「真鬼偽鬼」より 著者:岡本綺堂
はいいながら、甚吉と伊兵衛とは家柄も身代もまったく相違して、甚吉の家はここらでも
指折りの大百姓であったが、二人は子供のときに同じ手習師匠に通っていたという関係か....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
嘲るようにほほえみながら眺めた。 「何の、お前が取越し苦労。殿様は白柄組の中でも
指折りの剣術の名人、宝蔵院流の槍も能く使わるると、お頭の水野様も日頃から褒めてい....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
はござらぬと申したので。や、その節快く御承諾下されたので、我々共は今日の参るのを
指折り数えて待っておった次第で」 「なんでござったかな、敵討なんどと、左様な大事....
「おせん」より 著者:邦枝完二
、丑、寅、卯、辰、巳、――と、客のない上りかまちに腰をかけて、独り十二|支を順に
指折り数えていた、仮名床の亭主伝吉は、いきなり、息がつまるくらい荒ッぽく、拳固で....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
白の着附、緋の袴、小袿にて、檀扇を持ちていず。遠寺の鐘の声きこゆ。玉虫は鐘の音を
指折りかぞえて独り語。) 玉虫 今鳴る鐘は酉の刻……。平家の方々が見ゆるころじゃ....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
らいのものであつたが、その初世にしてからが、敗戦の年も暮れに近ずいたある日、ふと
指折りかぞえて、初世ももうじき二十三になるのだと気ずいてから後は、もう子供の一人....