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指物師
「指物師〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
指物師の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
台だけはどこの古道具屋にも転がっている。
又
あらゆる作家は一面には
指物師《さしものし》の面目を具《そな》えている。が、それは恥辱ではない。あらゆる....
「文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
す。世の中はそう思っておりません。何《なん》の小説家がと、小説家をもってあたかも
指物師《さしものし》とか経師屋《きょうじや》のごとく単に筆を舐《ねぶ》って衣食す....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
知らん。 乙未初秋 土子笑面識 一 これは享和二年に十歳で
指物師清兵衛の弟子となって、文政の初め廿八歳の頃より名人の名を得ました、長二郎と....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
見えたのである。十八世紀の後半、此の都にディーコン・ブロディなる男がいた。昼間は
指物師をやり市会議員を勤めていたが、夜になると一変して賭博者《とばくしゃ》となり....
「温泉」より 著者:梶井基次郎
の温泉場で板場になっている。ある者はトラックの運転手をしている。都会へ出て大工や
指物師になっている者もある。杉や欅の出る土地柄だからだ。しかしこの百姓家の二男は....
「石ころ路」より 著者:田畑修一郎
と思いこんでいたら、ほんとうの名は「隆さん」だった。 「タイメイ」という人は若い
指物師で、やはり東京に何年か出ていたのだが、病気で帰っているという。なんだか亀の....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
私の世話は全部、グラムダルクリッチ一人がしてくれるのでした。 王妃は、お附きの
指物師に言いつけて、私の寝室になるような、一つの箱を作らせになりました。これを作....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
食べた。これでやっと元気が出てきた。
ドミトリイは留守であった。家の人たち――
指物師《さしものし》の老夫婦とその息子は、いぶかしげにじろじろとアリョーシャを見....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
余り面白いものではなく、円朝物もだんだん猟り尽くされた形であった。狂言の名題は「
指物師名人長次」、主なる役割は坂倉屋助七、長次の弟子兼松(松助)坂倉屋の娘おしま....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
往来ででも奇怪な対話を聞き取った。
「早く入れてもらえよ。」とひとりの織り物工が
指物師《さしものし》に言った。
「なぜだい。」
「もうすぐに鉄砲を打たなきゃなら....
「増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
代つまり桃山時代の華麗豪艶な建築工事に携わった有名な建築家、画家、彫刻家、漆工、
指物師など幾多の芸術家がなお揃って健在であったから、当時一流の腕を持っていた人々....
「城」より 著者:カフカフランツ
知らない男が突然村の小娘に対する恋心に捉われてしまうと、それはもちろんそこいらの
指物師の若い者が惚れたのとはちがった形を取るものです。それに、役人と靴屋の娘との....
「審判」より 著者:カフカフランツ
んとうの部屋捜しが始まった。審理委員会はどこですか、ときくわけにもいかないので、
指物師のランツという名前を考えだし、――この名前を思いついたのは、グルゥバッハ夫....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
る中村座の座主、十三代目中村勘三郎死す、六十八歳。 ○十一月、新富座にて円朝の「
指物師名人長次」を脚色して上演。菊五郎の長次、好評。 ○十一月、歌舞伎座にて団十....
「妻」より 著者:神西清
。……あのデスクと、それからあの桃花心木の戸棚は、ジューコフ将軍の農奴だった素人
指物師のグレーブ・ブトィガが、親爺のために作ってくれたものでね。そう……。その道....