指環[語句情報] » 指環

「指環〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

指環の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
58 膝の上に組んだ看護婦の両手。前になった左の手には婚約の指環が一つはまっている。が、指環はおのずから急に下へ落ちてしまう。 ....
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
見えるほど細らせていた。それから彼女が身につけたものも、――お鈴は彼女の安ものの指環《ゆびわ》に何か世帯じみた寂しさを感じた。 「これは兄が檀那様《だんなさま》....
」より 著者:芥川竜之介
、徐《おもむろ》に大きな体を起して、帳場机の前へ歩み寄った。 「陳さん。いつ私に指環を買って下すって?」 女はこう云う間にも、依然として鉛筆を動かしている。 ....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
んぎょう》を男妾《おとこめかけ》にしていたと云う事、その頃は夫人の全盛時代で金の指環ばかり六つも嵌《は》めていたと云う事、それが二三年|前《まえ》から不義理な借....
彼 第二」より 著者:芥川竜之介
天鵞絨《びろうど》の筐《はこ》を出した。筐の中にはいっているのは細いプラティナの指環《ゆびわ》だった。僕はその指環を手にとって見、内側に雕《ほ》ってある「桃子《....
奇遇」より 著者:芥川竜之介
鶯鶯《おうおう》? そんなものがあるものか。」 「嘘をつき給え。論より証拠はその指環じゃないか。」 なるほど趙生《ちょうせい》が指さした几《つくえ》の上には、....
」より 著者:芥川竜之介
の世界の幻であった。そこには薔薇《ばら》の花の咲き乱れた路《みち》に、養殖真珠の指環《ゆびわ》だの翡翠《ひすい》まがいの帯止めだのが、数限りもなく散乱している。....
路上」より 著者:芥川竜之介
、名刺を辰子の手へ渡した。渡す時向うの手を見ると、青玉《サファイア》を入れた金の指環《ゆびわ》が、細っそりとその小指を繞《めぐ》っていた。俊助はそれもまた美しい....
魚河岸」より 著者:芥川竜之介
《あぶら》ぎった赭《あか》ら顔は勿論、大島《おおしま》の羽織、認《みと》めになる指環《ゆびわ》、――ことごとく型を出でなかった。保吉はいよいよ中《あ》てられたか....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
いますの。それも書生さんや、職人衆からではございませんの。」 娘客の白い指の、指環を捜すように目で追って、 「中坂下からいらっしゃいます、紫|鹿子のふっさりし....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
りもせず、夫人はちょいと根の高い円髷の鬢に手を障って、金蒔絵の鼈甲の櫛を抜くと、指環の宝玉きらりと動いて、後毛を掻撫でた。 廊下をばたばた、しとしとと畳ざわり....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
の扱帯にのせて、美しき手は芙蓉の花片、風もさそわず無事であったが、キラリと輝いた指環の他に、早附木らしいものの形も無い。 視詰めて、夫人は、 「…………」もの....
歯車」より 著者:芥川竜之介
もこう云う問題に通じていた。が、逞しい彼の指には余り不景気には縁のない土耳古石の指環も嵌まっていた。 「大したものを嵌めているね」 「これか? これはハルビンへ....
寡婦」より 著者:秋田滋
いた伯母の手を弄ぶともなく弄んでいた一人の若い女が、金色の頭髪でこしらえた小さな指環にふと目をとめた。その時までにも何遍となく見たことはあったのだが、別に気にと....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
貨ではない。大抵は五厘か寛永通宝である。その又穴銭の中の文銭を集め、所謂「文銭の指環」を拵えたのも何年前の流行であろう。僕等は拝殿の前へ立ち止まり、ちょっと帽を....