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「指紋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

指紋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
深夜の市長」より 著者:海野十三
に入れることに夢中になっていたので、その時計や貨幣の上に残っていたろうと思われる指紋のことには一向気がつかなかったのだった。僕はその時計を、うっかりしてそのまま....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
、彼が殺人に使った薄刃の短剣が血にまみれた儘入っていたのですわ。そして血染の彼の指紋まで出ていましてよ。その上、あの日お父さんの部屋から失せた小函を持っていただ....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
「この室に残された記録から、犯人を探し出すことは絶望である。コップの上に印された指紋をとろうと思えば、まるで団扇を重ねたように沢山の人々の指紋だらけで識別もなに....
電気看板の神経」より 著者:海野十三
は中々はっきりついては来なかった。第一、証拠が全くのこされていない。短刀の柄にも指紋はない。被害者は無抵抗で即死したような訳だから、犯人の着衣の一部をもぎとって....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
呆れながら、青年の顔色を窺った。 「一向に存じません」と笹木はアッサリ答えた。「指紋が御入用なら、遠慮なく本式におとり下さい」 大江山警部は、笑いに、赭い顔を....
爬虫館事件」より 著者:海野十三
の上衣を丹念に調べてから何か手帖に書き止めると、外に園長の写真を一葉借り、園長の指紋を一通り探し出した上で地続きの動物園の裏門を潜ったのだった。 西郷という副....
赤外線男」より 著者:海野十三
周囲に駈けあつまった。 「延髄を一と突きにやられている……」 「太い鍼だッ」 「指紋を消さないように、手帛でも被せて抜けッ」 「これは抜けますまい」と帆村が云っ....
地中魔」より 著者:海野十三
けこんだ課長は、三分と経たない間に、又矢のように甲板へ飛び出して来た。 「彼奴の指紋ばかりだ。機関長に化けていたのが岩だッ」 そのとき、一人の船員が叫んだ。「....
蠅男」より 著者:海野十三
村松はやはり黙々として、かぶりを振った。 「検事はん。血まみれの文鎮についとった指紋が、うまく出よりました。これだす」 そういって、鑑識課員が、白い紙に転写し....
金属人間」より 著者:海野十三
「もう一度、この部屋をねん入りに捜査《そうさ》してくれたまえ。兇器《きょうき》、指紋《しもん》、証拠物件《しょうこぶっけん》、死者の特別の事情に関する物件など、....
地獄の使者」より 著者:海野十三
「で、警部さんは、どこに興味を感ぜられましたか」 「もちろん、それに残っている指紋のことだよ、鑑識を頼んでおいたから、今に分る」 「それも興味のあることでしょ....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
うなものを掌の上にのせて重さをためしてみたのだ。手袋をはめたのは、その品物の上に指紋がついていた場合、それを乱さない心づかいであった。 「はい、重いです。金属ら....
火薬船」より 著者:海野十三
「長官閣下、そのへんは、念入りによくしらべあげてあります。容貌や身長だけでなく、指紋までもしらべました。全く、例のポーニンにちがいありません」 「じゃあ、ただ一....
獏鸚」より 著者:海野十三
にやりと笑い、「金庫は外見異常なしだ。あの複雑なダイヤルの上にも鉄扉にも、怪しい指紋は残っていない。内部を見たいのだが、暗号が見当らないので弱ってしまう」 「あ....
雪霊続記」より 著者:泉鏡花
のであります。 「天狗の為す業だ、――魔の業だ。」 何しろ可恐い大な手が、白い指紋の大渦を巻いているのだと思いました。 いのちとりの吹雪の中に―― 最後に....