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指貫
「指貫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
指貫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
得を計ったがよいではないか。」
若殿様は鷹揚《おうよう》に御微笑なさりながら、
指貫《さしぬき》の膝を扇で御叩きになって、こう車の外の盗人どもと御談じになりまし....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
《しもじも》の者の鍋取というような物ぞと見え、寛永十九年の或記に浅黄《あさぎ》の
指貫《さしぬき》、鍋取を冠り、弓を持ち矢を負うとあり。貞室の『かたこと直し』慶安....
「逝けるマクシム・ゴーリキイ」より 著者:宮本百合子
かった。さもなければ、こういう伯父たちが先棒になって、半分盲目になった染物職人の
指貫きをやいておいて火傷をさせて悦ぶような残酷で卑劣なわるさを企らむ。あらゆる悪....
「マクシム・ゴーリキイの伝記」より 著者:宮本百合子
うと、この大人達は自分が先棒になって、半分盲目になっている染物職人のグレゴリーの
指貫をやいて置いて哀れな職人が火傷するのを見て悦ぶ有様である。子供らは、家にいれ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
、」 「あの、美津さんへの心中だてかえ。」 多一はハッと畳に手を……その素袍、
指貫に、刀なき腰は寂しいものであった。 「御寮人様、御推量を願いとうござります。....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
と言ったり、そのほか、教わったとおりの挨拶をします。そしてグラムダルクリッチが、
指貫に酒を注いで渡してくれると、私はみんなのために乾盃をしてやります。かとおもえ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
したのである。美しい童侍《わらわざむらい》の恰好《かっこう》のよい姿をした子が、
指貫《さしぬき》の袴《はかま》を露で濡《ぬ》らしながら、草花の中へはいって行って....
「源氏物語」より 著者:紫式部
残念に思いながら宿直所《とのいどころ》で寝ていた。驚かされた典侍は翌朝残っていた
指貫《さしぬき》や帯などを持たせてよこした。 「恨みても云《い》ひがひぞなき立....
「源氏物語」より 著者:紫式部
さっと通り雨がした後の物の身にしむ夕方に中将は鈍《にび》色の喪服の直衣《のうし》
指貫《さしぬき》を今までのよりは淡《うす》い色のに着かえて、力強い若さにあふれた....
「源氏物語」より 著者:紫式部
って須磨へ送ることにした。無位無官の人の用いる※《かとり》の絹の直衣《のうし》、
指貫《さしぬき》の仕立てられていくのを見ても、かつて思いも寄らなかった悲哀を夫人....
「源氏物語」より 著者:紫式部
ぶらひ御笠《みかさ》と申せ宮城野《みやぎの》の)でございます」 と言う。源氏の
指貫《さしぬき》の裾《すそ》はひどく濡《ぬ》れた。昔でさえあるかないかであった中....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
よ。」と母が言った。 私は彼のポケットを一つ一つ探った。小さな貨幣が二三箇に、
指貫が一つに、糸と大きな縫針、端を噛み切ってある捩巻煙草が一本と、曲った柄の附い....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
小さな児、
それ私のヴェールの中に、」との御仰せ。
「町に行って布《きれ》求め、
指貫《ゆびぬき》と糸とを買っとくれ。」
美しいものを買いましょう
市外の通りを....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
ふに、…… 今もよく値切って物買う人が、「ハシタというのがあって、和訓栞に、「
指貫に言へり、胡曹抄に、経緯とも薄紫と見えたり」と解している。 さらにこのハシ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
欄のもとまでこぼれ咲きたるに、昼つ方、大納言殿の直衣の少しなよらかなるに濃き紫の
指貫、白き御衣どもうへに濃き綾のいとあざやかなるを出だして参り給へり……うらうら....