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「按〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
按の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
を読んだことはなかった。)芸術家肌の兄を好まなかった。たとい失明していたにしろ、
按摩《あんま》にでも何《なん》にでもなれば好《い》いのに、妹の犠牲を受けているの....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
ると、たいてい「彼女は美人ではない。しかし……」とか何とか断《ことわ》っている。
按《あん》ずるに無条件の美人を認めるのは近代人の面目《めんもく》に関《かかわ》る....
「或る女」より 著者:有島武郎
疾《こしつ》だったがそれが近ごろになってことさら激しくなった。葉子はちょいちょい
按摩《あんま》を呼んだりした。腹部の痛みが月経と関係があるのを気づいて、葉子は婦....
「星座」より 著者:有島武郎
の心をいらだたせたが、昼となく夜となく変化なしに聞こえる川瀬の音は、清逸の神経を
按摩《あんま》するようだった。清逸はややともすると読みかけている書物をばたっと取....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
おかしな皮の臭がして、そこら中水だらけ。 二十七 それ熟々、史を
按ずるに、城なり、陣所、戦場なり、軍は婦の出る方が大概|敗ける。この日、道学先生....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
義とか、或は自由經營とか官公營とか、一定してしまうのは適當でない。これらを巧みに
按配して綜合運用すべき時代となつているのである。ここにその原則を述ぶれば次のごと....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
減だけで済むものを、醤油に水を割算段。 と釜の湯気の白けた処へ、星の凍てそうな
按摩の笛。月天心の冬の町に、あたかもこれ凩を吹込む声す。 門附の兄哥は、ふと痩....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
は空屋だと云うし、……」 と、頬被のままで、後を見た、肩を引いて、 「一軒隣は
按摩だと云うじゃねえか。取附きの相角がおでん屋だッて、かッと飲んだように一景気附....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
せると、所作の棒を杖にして、コトコトと床を鳴らし、めくら反りに胸を反らした。 「
按摩かみしも三百もん――ひけ過ぎだよ。あいあい。」 あっと呆気に取られていると....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
手に縋らぬばかりに、ひたと寄って顔を覗く。 「やあい、やあい。」 「盲目やあい、
按摩針。」と囃したので、娘は心着いて、屹と見て、立直った。 「おいらのせいじゃあ....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
一 婦人は、座の傍に人気のまるでない時、ひとりでは
按摩を取らないが可いと、昔気質の誰でもそう云う。上はそうまでもない。あの下の事を....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
っていた。正午だった。鋤が一丁、傍の馬鈴薯畑の中に、まるで故意に置いてあるような
按配に突立っていた。 私はそれを抜きとって戻って来た。そして、鉄棒でも振り上げ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
それなんです。)――日暮方の出帆が出来なくなった。雑用宿の費に、不機嫌な旦那に、
按摩をさせられたり、煽がせられたり。濁った生簀の、茶色の蚊帳で揉まれて寝たが、も....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
子に思うさま煽がせさえすれば、畳に生した根も葉も無く、愛吉は退散しそうに見える。
按ずるに煽ぐという字は火偏に扇である、しかればますます奴の※が盛になっても、消え....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
も稲妻強盗や五寸釘の虎吉と一しょにこういう天才たちの一人だったであろう。僕は彼が
按摩になって警官の目をくらませていたり、彼の家の壁をがんどう返しにして出没を自在....