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挙
「挙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
挙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
《いす》の上に上半身を見せた前の子供。子供はにこにこ笑いながら、首を振ったり手を
挙げたりしている。子供の後ろには何も見えない。そこへいつか薔薇《ばら》の花が一つ....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
けない。誰が和田なんぞをつれて行くもんか。――」
藤井は昂然《こうぜん》と眉を
挙げた。
「あれは先月の幾日だったかな? 何でも月曜か火曜だったがね。久しぶりに....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
れには勿論同輩の嫉妬《しっと》や羨望《せんぼう》も交《まじ》っていた。が、彼を推
挙した内藤三左衛門《ないとうさんざえもん》の身になって見ると、綱利の手前へ対して....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
奪い合う天使と悪魔とを見ているのである。もしその時足もとのおぎんが泣き伏した顔を
挙げずにいたら、――いや、もうおぎんは顔を
挙げた。しかも涙に溢《あふ》れた眼には....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
と言う趣《おもむき》があったのかも知れません。ちょっと本筋へはいる前にその一例を
挙げておきましょう。わたしの宿の主人の話によれば、いつか凩《こがらし》の烈《はげ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
い事ではないのに違いない。そうだ。すべては行く処へ行きついた。それも単に、復讐の
挙が成就《じょうじゅ》したと云うばかりではない。すべてが、彼の道徳上の要求と、ほ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
「お母さんはどっち枕だえ?」
叔母は半ばたしなめるように、老眼鏡の眼を洋一へ
挙げた。
「東枕《ひがしまくら》でしょう。この方角が南だから。」
多少心もちの....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
》をはやしている。
そのうちに二十前後の支那人は帳簿へペンを走らせながら、目も
挙げずに彼へ話しかけた。
「アアル・ユウ・ミスタア・ヘンリイ・バレット・アアント....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
からね、そのつもりでいるんだよ」 女の子はまっ黒な婆さんの顔へ、悲しそうな眼を
挙げました。 「今夜ですか?」 「今夜の十二時。好いかえ? 忘れちゃいけないよ」....
「犬養君に就いて」より 著者:芥川竜之介
んだ作品は何れも手を抜いたところはない。どれも皆丹念に出来上っている。若し欠点を
挙げるとすれば余り丹念すぎる為に暗示する力を欠き易い事であろう。 それから又犬....
「墓」より 著者:秋田滋
でも浸っているような、こころよい、しみじみとした幸福感でありました。 彼女の一
挙一動は、わたくしを恍惚とさせました。彼女の声は、わたくしの心を奪うのでした。彼....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
入れてこの子こそ穂垂という家の苗字を世に知らせ、またその生国としてこの地の名をも
挙るものなれとて、いよいよ珍重して教えられ、人に逢えばその事を吹聴さるるに予も嬉....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
死んでいるが、これが一七五六年にエリザベス・ジーンという女と結婚して、十人の子を
挙げた。その子供等は百姓だの、店主だの、商人だのになったが、その三番目のミケルが....
「寡婦」より 著者:秋田滋
残していった人の祖父さんにあたる人は、恋愛、決闘、誘拐などと数々の浮名をながした
挙句の果に、かれこれ六十五にもなろうという年をして、自分のところの小作人の娘に夢....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
に住居を変えて、学校で教えるかたわら法律を勉強し、弁護士になり、政治家に転じ、選
挙運動に奔走し、新聞に寄稿もし、ついに民事裁判所の判事になったということであった....