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挙動
「挙動〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
挙動の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
うして一二年の歳月は、何事もなく過ぎて行った。が、その間《あいだ》に朋輩は吉助の
挙動に何となく不審《ふしん》な所のあるのを嗅《か》ぎつけた。そこで彼等は好奇心に....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
、安心に近い寛《くつろ》ぎを感じた。それには粘液の多少のほかにも、多加志の顔色や
挙動などのふだんに変らないせいもあったのだった。「あしたは多分熱が下《さが》るで....
「或る女」より 著者:有島武郎
のほうに後ろを向けて(おそらくそれは悲しみからばかりではなかったろう。その若者の
挙動が老いた心をひしいだに違いない)手ぬぐいをしっかりと両眼にあてている乳母《う....
「或る女」より 著者:有島武郎
のなり。船客に対して最も重き責任を担《にな》うべき事務長にかかる不埒《ふらち》の
挙動ありしは、事務長一個の失態のみならず、その汽船会社の体面にも影響する由々《ゆ....
「卑怯者」より 著者:有島武郎
がぞろぞろと跟《つ》いて来て、皮肉な眼つきでその子供を鞭《むちう》ちながら、その
挙動の一つ一つを意地悪げに見やっていた。六つの子供にとって、これだけの過失は想像....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
く》に眼《め》を奪われたりしに、その馬は奇怪なる御者と、奇怪なる美人と、奇怪なる
挙動《ふるまい》とを載せてましぐらに馳《は》せ去りぬ。車上の見物はようやくわれに....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
そ、嬢|様と聞くと斉しく、朝から台所で冷酒のぐい煽り、魚屋と茶碗を合わせた、その
挙動魔のごときが、立処に影を潜めた。 まだそれよりも内証なのは、引窓を閉めたた....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
ダミヤノ寺院の再建勧進にアッシジの街に現われ出した。クララは人知れずこの乞食僧の
挙動を注意していた。その頃にモントルソリ家との婚談も持上って、クララは度々自分の....
「海異記」より 著者:泉鏡花
、 「はい、」 という、それでも声は優しい女。 薄黒い入道は目を留めて、その
挙動を見るともなしに、此方の起居を知ったらしく、今、報謝をしようと嬰児を片手に、....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
いた事になる。もっとも、おいらんの心中などを書く若造を対手ゆえの、心易さの姐娘の
挙動であったろうも知れぬ。 ――「今日は珍らしいんです、いつも素見大勢。山の方....
「橋」より 著者:池谷信三郎
。階下にいる家内にちょっと見せてくる、と彼が言った。いかにも自然なその言いぶりや
挙動で、店員は別に怪しみもしなかった。では、この御洋服は箱にお入れして、出口のお....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
足を投げて横ざまに長くなったり、小さなしかも古びた茶店の、薄暗い隅なる方に、その
挙動も朦朧として、身動をするのが、余所目にはまるで寝返をするようであった。 ま....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
、顔の扁い、年紀の割に皺の少い、色の黄な、耳の遠い、身体の臭う、骨の軟かそうな、
挙動のくなくなした、なおその言に従えば、金色に目の光る嫗とより、銑太郎は他に答う....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
々が従来|未開国に対するの筆法に徴して想像するに足るべし。 されば各国公使等の
挙動を窺えば、国際の礼儀法式のごとき固より眼中に置かず、動もすれば脅嚇手段を用い....
「活人形」より 著者:泉鏡花
院に居た男だ。と聞いてますます蒼くなり、「ええ! それでは何だな。お前を疑う様な
挙動があったというのは彼奴か。「へい、左様でござい。恐怖え眼をして我をじろりと見....