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挙句
「挙句〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
挙句の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
流を通じる、――とてもお話にはなりません。中にはまた一刻も早く育てようとあせった
挙句《あげく》、せっかく大事にしている野菜を枯らしてしまうものもあるくらいです。....
「竜」より 著者:芥川竜之介
て自分の鼻を笑いものにするのが不平なので、今度こそこの鼻蔵人がうまく一番かついだ
挙句《あげく》、さんざん笑い返してやろうと、こう云う魂胆《こんたん》で悪戯《いた....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
う》である。今にきっとシャヴルの代りに画筆《がひつ》を握るのに相違ない。そのまた
挙句《あげく》に気違いの友だちに後《うし》ろからピストルを射かけられるのである。....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
るほど妻の口にあてがっていた。
(三)
から風の幾日も吹きぬいた
挙句《あげく》に雲が青空をかき乱しはじめた。霙《みぞれ》と日の光とが追いつ追われ....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
十 断念《あきら》めかねて、祖母《としより》が何か二ツ三ツ口を利くと、
挙句《あげく》の果《はて》が、 「老耄婆《もうろくばばあ》め、帰れ。」 と言っ....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
いもの。(石を切って、ほくちをのぞませ、煙管を横銜えに煙草を、すぱすぱ)気苦労の
挙句は休め、安らかに一|寝入さっせえ。そのうちに、もそっと、その上にも清い目にし....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
「ちゃんと金子を突いたでねえから、抱えぬしの方で承知しねえだよ。摺った揉んだの
挙句が、小春さんはまた褄を取っているだがね、一度女房にした女が、客商売で出るもん....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
くりと沈んで、四辺は白泡となったと聞く。 また十七ばかり少年の、肋膜炎を病んだ
挙句が、保養にとて来ていたが、可恐く身体を気にして、自分で病理学まで研究して、0....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
戦国時代、北條某とやら申す老獪い成上り者から戦闘を挑まれ、幾度かのはげしい合戦の
挙句の果が、あの三|年越しの長の籠城、とうとう武運拙く三浦の一|族は、良人をはじ....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
れから畚に入れてある、あのしめじ蕈が釣った、沙魚をぶちまけて、散々悪巫山戯をした
挙句が、橋の詰の浮世床のおじさんに掴まって、額の毛を真四角に鋏まれた、それで堪忍....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
袋のようなものだぜ」 こんな風に一通り教訓されたが、阿Qはもちろん黙っていた。
挙句の果てに、夜だから役人の酒手を倍増しにして四百文出すのが当前だということにな....
「故郷」より 著者:井上紅梅
毎日きっとやって来るんだよ。きのうは灰溜の中から皿小鉢を十幾枚も拾い出し、論判の
挙句、これはきっと閏土が埋めておいたに違いない、彼は灰を運ぶ時一緒に持帰る積りだ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
残していった人の祖父さんにあたる人は、恋愛、決闘、誘拐などと数々の浮名をながした
挙句の果に、かれこれ六十五にもなろうという年をして、自分のところの小作人の娘に夢....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
用人で、影画の紙人形を切るのを売物として、鋏一挺で日本中を廻国した変り者だった。
挙句が江戸の馬喰町に落付いて旅籠屋の「ゲダイ」となった。この「ゲダイ」というは馬....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
袈裟に威張散らして一文も祝儀をやらなかったり、わざと思切って吝ったれな真似をした
挙句に過分な茶代を気張って見たり、シンネリムッツリと仏頂面をして置いて急に噪ぎ出....